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「アベノフタがハズれて統一教会問題・五輪贈収賄事件が発覚」!2022年重大ニュース(その2)

Dec 10, 2022.三浦彰Tokyo,JP
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安倍晋三元総理の公式インスタグラムから

安倍晋三元首相が参院選応援演説中の7月8日に奈良市で銃撃され死亡したのが今年最もショッキングだった事件だろう。その後犯人の山上徹也が旧統一教会の被害者であることが判明し、これにより旧統一教会と自民党の癒着問題が浮上。さらに安倍元首相が誘致に力を注いだ東京五輪・パラリンピックのスポンサー選定に関する高橋治之・元東京オリ・パラ組織委員会理事への贈賄が判明し大事件に発展した。いずれも安倍氏が存命なら検察への圧力で握り潰されていたのではないか。「アベノフタ」がハズれたためにそうした唾棄すべき汚点が明るみに出たということだろう。

ファッション業界からは、選手団のユニホームを担当したAOKIホールディングスから創業兄弟である青木拡憲前会長、青山寶久前副会長の2人と上田雄久・AOKI前社長の計3人が逮捕された。業界第2位のAOKIホールディングスはすでに売り上げの約40%はカラオケボックスや複合カフェ、フィットネスジム、ウェディング、不動産などが占め、婦人服もかなりの割り合いを占めているから紳士服専門店チェーンという形容はすでに適切ではない。脱アパレルで多角化がきわめてうまくいっている企業だが、それでも業界第1位の青山商事への対抗意識なのか、オリンピック・パラリンピックの公式スポンサーというタイトルを欲しがってみなし公務員の高橋治之電通元専務に謝礼金を贈るという愚行を演じてしまっている。

上場出版社のKADOKAWAも、兄の角川春樹元社長を追い出して実権を握ったと噂されるあまり評判の良くない角川歴彦会長がTVのぶら下がりインタビューに登場して高橋治之容疑者の知人の企業に謝礼を渡したが贈賄の意識はなかったと話して墓穴を掘っている。もうすでに出版というよりも映画、アニメ、ラノベなどが主力の企業だが、だからと言って金を渡すことで便宜を図ってもらうなどということを、曲がりなりにも出版社を名乗っている企業がしてはいけない。遵法精神や社会正義の上に本来立脚している出版社が変質してしまっていることを証明してしまった罪は大きい。

そして、今回のオリ・パラ贈賄事件ではADK前社長、大広執行役員などついには広告代理店から逮捕者が出て、広告代理店の口利き体質、仲介体質が明らかになった。業界のナンバーワン、ナンバーツーの電通、博報堂からはまだ逮捕者は出ていないが、その後オリ・パラのテスト大会及び本大会運営担当をめぐる「談合」が表面化して事情聴取が行われているが立件されるかどうか。

オリ・パラ贈収賄で4回逮捕された高橋治之元組織委員会理事が電通元専務でスポーツ利権を一手に握っていたのが明らかになったが、天下の電通のイメージダウンは甚だしいが、「電通がいなければ、何も前に進まない」というのも確かで、必要悪としての広告業界のガリバー電通の存在感が浮き彫りになった。

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