BUSINESS NEWS
  • share with weibo
  • share with LINE
  • share with mail

スタートアップ粉飾オルツの末路 わずか10カ月で時価総額のほとんどを失った異例の事態

NEWAug 1, 2025.高村 学Tokyo,JP
VIEW3733
  • share with weibo
  • share with LINE
  • share with mail
就任からわずか1カ月でスピード辞任するオルツの日置友輔社長。日置氏も不正に手を染めていたと第三者委員会が指摘している。

東証グロース上場のAIスタートアップ、オルツを巡る不正会計問題が、さらに混迷を深めている。創業者であり前社長の米倉千貴氏が7月28日に辞任した直後、後任として就任した日置友輔社長も、9月3日に開かれる臨時株主総会をもって辞任することが明らかになった。わずか1カ月強の在任となる。

同社の株価は、8月1日には一時20円近くまで値を下げ、前日比で16%超の下落。新規上場時には約190億円だった時価総額は、わずか8億円以下にまで目減りしており、個人株主を中心に大きな損失が広がっている。わずか10カ月で時価総額のほとんどを失った異例の事態で、真相究明を求める声は強い。

第三者委員会による調査では、売上の大半が架空だった疑いが指摘され、内部統制の欠如と経営陣のガバナンス不全が浮き彫りになっている。報告書によれば、日置氏も不正に関与していたとされ、経営トップ交代での信頼回復はほぼ絶望的な状況だ。

7月30日には、東京地裁に民事再生法の適用を申請。負債総額は24億円にのぼる。事業継続を模索する構えを見せているが、社長交代が相次ぐ中で、信頼回復への道のりは険しく、今後は株主による損害賠償請求訴訟などの法的リスクも現実味を帯びてきた。

オルツの一連の粉飾スキャンダルは、AI業界やスタートアップ全体に対する信頼にも影響を与えており、資本市場の健全性を揺るがす事態へと発展している。

 

READ MORE