
紳士服大手で、「アニヴェルセル(ANNIVERSAIRE)」や「快活CLUB」などを手掛けるAOKIホールディングスは11月7日、2026年3月期の中間期決算を発表した。売上高は840億2800万円で前年同期比1.3%増、営業利益は39億3700万円(同5.6%減)、純利益は18億8800万円(同32.4%減)だった。コスト上昇で減益となったが、中間期としては5期連続の増収を維持している。
主力のファッション事業では、スーツ専門店「アオキ(AOKI)」やカジュアルブランド「オリヒカ(ORIHICA)」などを展開。ビジネスカジュアルやリラクシングウェアの販売が堅調に推移し、売上高は386億6300万円(前年同期比1.0%増)と増収となった。一方で、人件費や店舗リニューアル、新規出店などのコスト増が利益を圧迫し、営業損益は8億3400万円の赤字(前年同期は2億2200万円の赤字)に拡大した。
一方、エンターテイメント事業では、複合カフェ「快活CLUB」が引き続き好調を維持した。売上高は388億5700万円(前年同期比0.4%増)、営業利益は46億400万円(同4.5%増)と増収増益を達成。客単価の上昇により既存店売上が堅調に推移し、中間期としては過去最高の売上高と営業利益を記録した。店舗では、個室ブースの拡充や女性専用エリアの強化など、多様なニーズに対応した改装を進めており、リピーター比率も高水準で推移している。
アニヴェルセル・ブライダル事業も回復傾向が鮮明だ。売上高は54億1500万円(前年同期比10.4%増)と2桁の増収。施行組数の増加に加え、一組あたりの単価が上昇したことで収益が改善。営業損失は8900万円と、前年同期の3億7500万円から大幅に縮小した。
不動産賃貸事業も堅調で、売上高は35億3100万円(前年同期比4.3%増)、営業利益は7億6900万円(同3.0%減)。安定収益源としてグループ全体の事業ポートフォリオを支えている。
同社は同日、2026年3月期の通期業績予想を修正。売上高は従来予想の1980億円から1960億円(前期比1.7%増)へとわずかに下方修正した。一方、営業利益は170億円(同8.6%増)、純利益は96億円(同0.3%増)と従来見通しを据え置き、利益面では堅調な推移を見込む。
AOKIホールディングスは、スーツ需要の変化に対応した新業態の展開や、「快活CLUB」の全国拡大を進めつつ、ブライダル事業の黒字化を目指す方針だ。アフターコロナで価値観が多様化する中、「衣・食・遊・住」にまたがる事業ポートフォリオの強みを活かし、安定成長を図る。












![[[name]]](/assets/img/common/sp.png)