
紳士服販売大手の青山商事は2月13日、2026年3月期の第3四半期決算を発表した。売上高は1287億9900万円(前年同期比3.2%減)、営業利益は22億9700万円(同39.7%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は4億1300万円(同75.3%減)と減収減益だった。中間決算時点では最終赤字8億5600万円を計上していたが、第3四半期累計では黒字転換。ただ、収益力の低下が鮮明となった。
決算発表後、市場の反応は厳しい。青山商事の株価は2月17日まで3日続落。主力事業の苦戦と通期計画達成への不透明感が売り材料となっている。
主力のビジネスウェア事業は、「洋服の青山」「スーツスクエア(SUIT SQUARE)」「麻布テーラー」などを展開する中核部門。売上高は804億3800万円(前年同期比6.5%減)、営業損益は18億500万円の赤字(前年同期は3億3800万円の黒字)に転落した。最大の要因はメンズスーツ販売の落ち込みだ。販売着数は前年同期比11.3%減。平均販売単価は3万6180円と4.3%上昇したものの、数量減を補えなかった。
在宅勤務の定着やビジネスウェアのカジュアル化が進むなか、従来型スーツ需要は構造的な縮小局面にある。単価アップ戦略は一定の効果を示すものの、来店客数や購入頻度の減少という課題は依然として重い。
一方で、非アパレル分野は健闘した。カード事業の売上高は40億6500万円(同4.5%増)、営業利益は19億4400万円(同11.3%増)と増収増益。フランチャイジー事業も売上高128億5500万円(同8.3%増)、営業利益10億4400万円(同22.3%増)と二桁成長を確保した。
同社は「洋服の青山」の店舗余剰地を活用し、焼肉店「焼肉きんぐ」や和食レストラン「ゆず庵」などを展開。また、リユースショップ「セカンドストリート(2nd STREET)」や24時間型ジム「エニタイムフィットネス(ANYTIME FITNESS)」のフランチャイズ運営も手掛けるなど、収益源の多角化を進めている。アパレル依存からの脱却は着実に進みつつあるが、規模の面ではなおビジネスウェア事業が中核だ。
2026年3月期通期の連結業績予想は、売上高1970億円(前年比0.7%増)、営業利益140億円(同11.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益95億円(同1.1%増)を据え置いている。第3四半期までの進捗を踏まえると、最終四半期での大幅な利益回復が前提となる。
スーツ市場の構造変化と非アパレル事業の伸長。その両輪をどうバランスさせるかが、青山商事の今後を左右する。黒字転換という一歩を踏み出したものの、通期目標の達成にはなお高いハードルが残されている。








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