
「デサント(DESCENTE)」や「アンブロ(UMBRO)」、「アリーナ(arena)」などを展開するデサントが8月1日に発表した2026年3月期第1四半期決算は、減収ながらも利益面では好調な滑り出しを見せた。
売上高は247億円で、前年同期比28.1%減と大きく落ち込んだ一方、経常利益は46億円(同11.2%増)、四半期純利益は49億円(同22.3%増)と増益。減収となったにもかかわらず、利益が過去最高を更新した背景には、持分法適用会社である中国市場における「デサント」ブランドの好調がある。
地域別に見ると、日本の売上高は87億円(同4.6%減)、韓国は146億円(同8.8%減)と軒並み減収となった。国内市場ではスポーツアパレル全体の需要が一服し、特にコロナ禍で伸びていた「ゴルフ」「ランニング」分野が踊り場を迎えている。韓国でも物価高騰や消費者心理の冷え込みが響いた。
一方で、「ルコックスポルティフ(le coq sportif)」や「アリーナ」を展開する中国市場が好調で、中国の連結子会社や持分法適用関連会社の売上高は455億円と前年同期比で44.4%の大幅増を記録した。特に「デサント」ブランドは、中国市場においてプレミアムスポーツウェアとしての地位を確立しており、高い成長率を維持している。こうしたことから持分法投資利益が36億円へと拡大し、これが経常利益増の要因となり、最終利益を押し上げた。
また、創業90周年という節目にあたる今期の業績予想は、売上高1240億円(前年比39%減)、経常利益190億円(同5%増)、当期純利益145億円(同5%増)を見込んでおり、4期連続の最終利益更新を目指す構えだ。
今後の注目点は、日本・韓国市場での再成長戦略と、中国市場での規模の拡大戦略だ。アジア発グローバルブランドとしての「デサント」の成長ストーリーに期待がかかる。