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江口寿史「トレパク」問題 過去コラボ企業にも余波・疑惑・打撃

NEWOct 7, 2025.セブツー編集部Tokyo, JP
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漫画家・イラストレーターの江口寿史氏による「トレパク(トレース盗用)」騒動は、収束の兆しがまったく見えていない。

発端となったのは、JR中央線沿線で開催される文化イベント「中央線文化祭2025」の告知ビジュアルをめぐる問題だ。江口氏が手がけた女性モデルのイラストが、実在する人物の写真を無断でトレースしたものであることが判明。モデルとされる金井球氏が主催の「ルミネ(LUMINE)」側に確認を求めたところ、江口氏が事前の承諾を得ずに写真を使用していた事実が明らかになり、騒動へと発展した。

当初、ルミネは問題のビジュアルを「一時撤去」としていたが、「制作過程に重大な問題があった」として今後の使用を一切使用しない方針へと転換。さらに、江口氏が出演予定だったトークイベント「中央線と漫画と人生と」も中止を決定した。

■過去作品にも「無断トレース」疑惑
江口氏は1977年に『週刊少年ジャンプ』でデビューし、1980年代以降はイラストレーターとしても活躍。漫画表現をポップアートとして昇華させた作風で知られ、女性モデルを多用する作風でも人気を博してきた。しかし現在、同様の手法で雑誌モデルや写真を無断トレースした疑いが、過去の商業作品にまで及んでいる。

■企業コラボにも影響
ファミリーレストラン「デニーズ」は、1992〜97年まで江口氏のイラストをメニューブックの表紙に採用し、2023年にも27年ぶりのコラボレーションを行っていたが、今回の騒動を受けて今後の使用を控えると発表した。

また、アイウェアブランド「ゾフ(Zoff)」を展開するインターメスティックも「多くの方にご心配とご迷惑をおかけしている」とコメント。事実関係の調査を進めているとした。

江口氏は今回の件について、初期にSNS上でコメントを出した以降、追加の説明を行っていない。人気作家ゆえに過去の作品が多くの企業やブランドで使われていることから、波紋はさらに広がる可能性がある。企業やブランド側にとっては、イメージの失墜など大きな打撃となる。現時点で収束の兆しは見えず、「トレパク」問題はしばらく物議を醸しそうだ。

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