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「ロエベ」はなぜ日本を偏愛するのか?

Aug 8, 2023.三浦彰Tokyo, JP
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ジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)

「ロエベ(LOEWE)」の「日本愛」が止まらない。例えば、既報したように2023年秋冬メンズコレクションのキャンペーンにアーティストの米津玄師を起用した。またこれに先立つ2023年秋冬プレコレクションキャンペーンでは女優のオーブリー・プラザ(Aubrey Plaza)や海外アーティスト11人を起用して、写真家のユルゲン・テラー(Juergen Teller)が撮影を行ったが、北野武、日系でイギリスの俳優ソノヤ・ミズノ(Sonoya Mizuno)が選ばれているのが注目される。特に北野武は、昨年のセレクトショップ「グレイト(GR8)」をコラボレーションパートナーに迎えた2022年秋冬メンズコレクションでもキャンペーンビジュアルのキャラクターに選ばれていた。

また「ロエベ」が7月13日から全世界で販売をスタートさせたハンドバッグの新作「パズル トート」は幾何学的なデザインが特徴で、ブランドの代表的なバッグ「パズル」と日本の折り紙からの着想による同ブランドの「オリガミ」バッグが合体したような独特の形状になっている。この「オリガミ」にも日本愛が表出しており、「バオ バオ イッセイ ミヤケ」と共通の着想源を指摘する声もある。

この「ロエベ」の日本愛については、2015年春夏から同ブランドのクリエイティブ・ディレクターを務めるジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)の日本愛に拠っていると考えるのが自然なようだ。すでに「ロエベ」は『となりのトトロ』、『千と千尋の神隠し』 、『ハウルの動く城』と3度にわたるスタジオジブリとのコラボを行っている。特にジョナサンが最も愛する宮崎駿作品のひとつであると言われる『ハウルの動く城』ではちょっと異常とも思えるような偏愛を披瀝していた。またジョナサンは自身の「JWアンダーソン(JW Anderson)」のブランドで、日本の代表的カジュアルブランド「ユニクロ(UNIQLO)」と2017年から継続してコラボを行っており、相思相愛の関係だ。

今回の米津玄師起用や北野武の再起用、「パズル トート」にみられるオリガミ発想などはクリエイティブ・ディレクターのジョナサン・アンダーソンの日本愛の表れと見て良いようだ。

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