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「リファ」が500億円超えの快進撃 MTGがZ世代とドラッグストア販路を味方に急拡大

NEWAug 1, 2025.高村 学Tokyo,JP
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美容ブランド「リファ(ReFa)」やトレーニング機器「シックスパッド(SIXPAD)」を展開するMTGは7月31日、2025年9月期の第3四半期決算(累計)を発表した。売上高は700億5700万円(前年同期比38.6%増)、営業利益は93億2800万円(同583.5%増)、純利益は58億700万円(同358.4%増)と、すべての指標で大幅な伸長を記録した。今期、3度の上方修正を行ってきた同社だが、その勢いを裏付ける好決算となった。

成長を牽引したのは、「リファ」の躍進だ。美容機器のイメージが強かったが、2024年4月からシャンプーやトリートメントなどのヘアケア製品を、マツモトキヨシやココカラファインといった全国規模のドラッグストアチェーンに本格導入。これにより「リファ」ブランドの売上高は529億円(同44%増)に達し、全体の約75%を占めるまでに成長した。

さらに、Z世代を中心に人気を集めるハートシリーズの存在感も増している。折りたたみ式コームやミラー、コスメなどのラインナップを広げ、リピート率の高いアイテムとして定着しつつある。これまで百貨店中心だった顧客層に、若年層やドラッグストア利用者が加わったことで、ブランドの裾野が一気に広がった。

また、卸売主体のリテールストア事業も急拡大している。百貨店やショッピングセンター、免税店などを通じた販売で、売上高は前年同期比53.9%増の206億1500万円、経常利益は同201.3%増の33億7700万円を計上している。一方で、グローバル事業は苦戦が続き、売上高は12億5600万円(同3.9%減)、経常損失は1億300万円(前年同期は5億1100万円の
赤字)と赤字が継続中だ。

7月には、疲労回復をテーマにした新ブランド「レッド(ReD)」の本格展開もスタート。「ハンズ(HANDS)」や全国942の病院内ショップ、さらにはJALの国際線ファーストクラスのリラクシングウェアとしても導入されており、既存のリラクシングウェアとは異なる販路で認知度を高めている。今後、既存の「リファ」とのシナジーも期待されており、今期売上のさらなる押し上げ要因となる可能性がある。

同時に発表された株主優待制度では、100株以上を1年以上保有する株主を対象に最大14万ポイントを付与。長期保有者へのインセンティブ強化と、個人投資家の囲い込みを狙う。

MTGの2025年9月期の連結業績予想は、売上高960億円(前年比33.6%増)、営業利益96億円(同192.9%増)、純利益65億円(同185.1%増)を見込む。名古屋市熱田区に建設された新本社には、研究開発センターや「リファ」のカフェやミュージアムを併設。ブランドの世界観をリアル空間でも体現し、名古屋を拠点に次の成長フェーズに向けて地盤を固める。

美容・健康市場が飽和しつつある中、MTGは製品の進化だけでなく販路・体験・ブランディングの三位一体で成長を続けている。

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