良品計画が過去最高益と配当50円　2026年秋には欧州最大のパリ旗艦店「MUJI Rivoli」を出店　

「無印良品」を国内外で展開する良品計画は10月10日、2025年8月期の通期決算を発表した。売上高にあたる営業収益は7846億2900万円で前年同期比18.6％増、営業利益は738億4000万円（同31.5％増）、親会社株主に帰属する当期純利益は508億4600万円（同22.3％増）となり、営業収益とすべての利益で過去最高を更新した。

海外事業は中国大陸、欧米を中心に売上が堅調に推移した。特に中国での回復が鮮明で、中国事業全体の営業収益は前年比18.3％増の1398億円と大幅に伸びた。店舗のスクラップ＆ビルドを進めることで1店舗あたりの売上改善が進んでいることに加えて、2025年7月には杭州に旗艦店をオープンするなど、積極的な出店・改装が奏功した。

欧米では不採算店舗を閉鎖し店舗数は減少したものの、既存店売上とEC売上がともに2桁成長。営業収益は前年比7.9％増の421億円、営業利益は25.7％増の69億円と増収増益を達成した。

日本国内では新規出店による店舗数増に加え、既存店の売上も伸長したことで大幅な増収増益を達成。営業収益は前年比20.9％増の4701億円、営業利益は31.2％増の521億円となり、好決算を牽引した。

良品計画は年間配当を44円から50円に増額（前期は40円）、2025年8月31日時点の株式分割を考慮した実質配当は12％の増配とした。株主還元の姿勢も強化され、投資家からの注目度も高い。

同社は2026年8月期の業績予想として、営業収益8600億円（前年比9.6％増）、営業利益790億円（同7.0％増）、親会社株主に帰属する当期純利益530億円（同4.2％増）を見込む。2026年秋から冬ごろを目指し、フランスのパリに欧州最大規模の旗艦店「MUJI Rivoli」を出店する。売場面積は600坪を超える広さだ。

良品計画は国内事業、海外事業の双方で売上と利益を伸ばし、過去最高の業績を更新した。スキンケアを軸としたグローバル戦略、EC売上の拡大、店舗の選択と集中による収益効率化が奏功しており、株主還元強化も含めた成長基盤を着実に整えている。