
欧米を中心としたファッション&ビューティ関連33銘柄で構成する「SVT グローバル」は2月23日、構成銘柄の株価騰落率合計がマイナス59.88%と大幅な下落を記録した。前週末までの上昇基調から一転、関税政策を巡る不透明感が市場心理を冷やし、ファッション関連株が一斉に売られる展開となった。
個別銘柄では、「ヴェルサーチェ(VERSACE)」や「マイケル・コース(MICHAEL KORS)」を擁するカプリホールディングスが前日比7.58%安と急落。「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」「ティンバーランド(Timberland)」などを展開するVFコーポレーションは7.30%安、スポーツブランドのアンダーアーマーも6.50%安と、大幅な下げが目立った。消費関連株の中でも、グローバルに生産・販売網を持つファッション企業に売りが集中した。
背景にあるのは、米国のトランプ政権が打ち出した一律15%の関税政策だ。政策が短期間で二転三転したことで、欧州連合(EU)などとの貿易関係に対する不透明感が急速に高まった。ファッション業界は中国や東南アジアを含む海外生産に依存し、複雑なサプライチェーンを構築している。そのため、関税の影響を直接受けやすく、コスト上昇や需要減速への警戒から売りが先行したとみられる。
市場全体でもリスク回避の動きが強まり、この日は典型的な「リスクオフ相場」となった。景気減速への懸念が広がる局面では、衣料品やラグジュアリーなどは真っ先に削られる傾向があり、ファッション株は他セクター以上に下落圧力を受けやすい。
今回の下落は、直前の急騰の反動という側面もある。週末を挟んだ2月20日には、米最高裁が関税措置を否定したことで小売株が一斉に上昇。「SVT グローバル」も構成銘柄の株価騰落率合計が75.36%と大幅なプラスを記録していた。しかし、その直後により強い関税導入の方針が示され、市場は期待から失望へと急転換。この振れ幅の大きさが、売りを一段と加速させたとみられる。
セクター別では、これまで上昇基調だった「スポーツ&アクティブ」分野も全面安となった。ルルレモン・アスレティカは前日比4.91%安、ナイキは3.53%安、オン・ホールディングスは4.01%安と下落。アディダスも0.06%安と小幅ながらマイナス圏に沈み、オールバーズは7.62%安と急落した。市場が休場だった日本のアシックスのみが0.71%高とプラスを維持したが、全体としてはスポーツ関連株も例外なく売られる展開となった。
「グローバルアパレル」セクターでも下げが広がった。ファーストリテイリングは1.06%安、「ザラ(ZARA)」を展開するインディテックスは0.38%安、ヘネス・アンド・マウリッツ(H&M)は0.85%安と、主要アパレル企業が揃って下落した。
一方、ラグジュアリー大手では動きにばらつきが見られた。LVMHは0.59%高、ケリングは3.06%高と上昇した一方、エルメス・インターナショナルは0.28%安と下落。富裕層需要に支えられるラグジュアリーセクターは相対的に耐性を持つものの、市場全体の不透明感の中で明暗が分かれる結果となった。
今回の急落は、ファッション業界がいかにグローバル経済や政治動向の影響を受けやすいかを改めて示した。関税政策や貿易摩擦といった外部要因が顕在化した際、同セクターはコスト構造と需要の両面から圧力を受けやすい。今後も政策動向次第で、株価の変動が大きくなる局面が続く可能性がある。
※「SVTグローバル」は原則として本国のプライマリー上場市場の株価を採用
※本データは現地通貨建て株価ベースで算出しており、為替変動の影響は考慮していない
※「SVT インデックス」グローバル版採用33銘柄
LVMH、エルメスインターナショナル、ケリング、プラダ、バーバリーグループ、フェラガモグループ、ブルネロ クチネリ、モンクレール、リシュモン、スウォッチグループ、ファーストリテイリング、インディテックス、ヘネス・アンド・マウリッツ、ヒューゴボス、エルメネジルド・ゼニア・グループ、ラフルローレン、タペストリー、PVHコーポレーション、カプリホールディングス、VFコーポレーション、カナダグースホールディングス、デッカーズ・アウトドア・コーポレーション、リーバイ・ストラウス&カンパニー、ナイキ、アディダス、アシックス、ルルレモン・アスレティカ、アンダーアーマー、コロンビア・スポーツウェア、オールバーズ、オンホールディングス、ロレアル、ユニリーバ









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