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小学館の相賀信宏新社長はどんな人物?そして何が期待されるのか?!

May 10, 2022.三浦彰Tokyo, JP
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小学館本社ビル(PHOTO:SEVENTIE TWO)

小学館は、相賀信宏(おおがのぶひろ)専務取締役(39歳)が社長に昇格し、相賀昌宏社長(71歳)が会長に就任する人事を内定した。5月26日の定時株主総会と臨時取締役会で正式決定する。相賀信宏氏は、神戸大学及び同大学大学院を卒業後、小学館の関連会社VIZ MEDIA(漫画の海外展開を行うサンフランシスコ本社の企業)を経て、2012年に小学館に取締役として入社。常務取締役を経て2019年から専務取締役に就任していた。なお、会長に就任する相賀昌宏氏は1992年から実に30年にわたり社長職を続けていた。近年は、ライツ(権利)ビジネス、デジタル出版、漫画、不動産を軸にした経営を確立して、世の出版不況を尻目に史上最高決算を続けているがその立役者だ。父は小学館2代目社長の相賀徹夫氏、祖父は小学館創業者の相賀武夫氏であり、3代目社長。今回社長就任する子息の信宏氏は4代目社長ということになる。なお相賀武夫氏が神田錦町に小学館を創業したのは1922年。今年は実に創業100年のアニバーサルイヤーにあたる。この記念すべき年に4代目社長の誕生というのはどうも前々から考えられていた予定のようである。

相賀信宏新社長がどのような人物でどれほどの経営の力量があるかは分からないが、当面は父親の相賀昌宏新会長が院政を敷いて、そのもとで経営を学んでいくことになるのだろう。

現在業績好調の日本の二大出版社は、小学館=相賀家、講談社=野間家という未上場同族経営ということになる。この二大出版社に匹敵するもうひとつの存在でやはり好業績を続けているのが、集英社だ。集英社の株式の50%は小学館が保有しているから、小学館グループあるいは所在地から一ツ橋グループと呼ばれている。集英社社長はプロパー社員から現在選ばれている。

ちなみに講談社および講談社の100%子会社である光文社は所在地から音羽グループと呼ばれている。光文社社長もプロパー社員から現在選ばれている。しかし、経営の実権は、それぞれ講談社=野間家、小学館=相賀家が握っている。この他に同族経営の大手出版社としては、新潮社=佐藤家(現社長の佐藤隆信氏は5代目社長)が挙げられる。

出版不況を尻目に、ライツ事業、デジタル出版事業、漫画、不動産で好業績を続けている大手出版3社については、いわゆる旧来の雑誌ビジネスはすでに利益事業にはなっていない。面白いコンテンツを読者のために貪欲に追求するという好奇心溢れる雑誌ビジネスには今後も期待できないだろう。例えば女性誌は宝島社の付録型雑誌ビジネスに牛耳られているのが現状だ。巻き返しはかなり難しそうだ。今後は、4本柱の事業を堅実にすすめていく経営が主眼になっていくのではないか。いわゆる提案型のエンターテインメントビジネスは漫画を主軸にするという布陣だろう。旧来の出版社のイメージとはだいぶ異なった様相になりそうではある。そうした4本柱経営を相賀信宏新社長は受け継いでいくことになりそうだ。同族経営にはいろいろと異論がありそうだが、こうした4本柱経営には、その方が良いという保守的な意見がなくもない。

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