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Japan|前編:揺らぐ「ナイキ」帝国、日本市場では「アディダス」がすでに逆転

May 2, 2018.セブツー編集部Tokyo, JP
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「Louis Vuitton(ルイヴィトン)」メンズのデザイナーに「OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH™オフ-ホワイト ヴァージル アブロー、以下OFF-WHITE)」のヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)が就任し話題を呼んだ。「OFF-WHITE」といえばストリートファンに熱狂的な人気を誇り、前メンズデザイナーのキム・ジョーンズがコラボレーションした「Supreme(シュプリーム)」と並ぶストリートブランドの代表格である。彼のラグジュアリー・ブランドへの就任は長期的に巻き起こっている世界的なストリートブームの象徴的な出来事といえる。このブーム牽引の立役者として欠かせないのは「NIKE(ナイキ)」「adidas(アディダス)」「UNDER ARMOUR(アンダーアーマー)」など、ここ10年で日本市場でめざましく躍進しているスポーツブランドだろう。

1990年代に起こったストリートブームはいわゆる”ナイキフィーバー”と呼ばれているような「NIKE(ナイキ)」中心のもので、当時もストリートとスポーツが合わさったような雰囲気はあった。第1次ブームの勝者となった「NIKE」は当時の時点でほぼ4兆円企業になっていて、その勢いが落ち着いた今もなお約3.5兆円台の規模を保っている。

しかしここにきてナイキの牙城が危うくなっている。大きな流れとしては「adidas(アディダス)」が「NIKE」への追撃体制を固めてきたことがある。「adidas」は「Y-3(ワイスリー)」にはじまるデザイナーコラボを積極的に進め、ファッションに強い「adidas」を前面に押し出し急進してきた。2017年度の総売上高では「NIKE」が約3兆6400億円、「adidas」が約2兆7600億円と約1兆円の差があるが、日本市場を見てみると「NIKE」が約1075億円、「adidas」が約1373億円と逆転されてしまっている。

もう一つの大きな変化は中型ブランドの躍進である。ここ5年は続いているスニーカーブームの覇者としては「New Balance(ニューバランス)」が大きく売り上げを伸ばし、世界市場で5000億円クラスの1社になった。またランニングブームの牽引もあって「asics(アシックス)」も2017年度は全世界で4000億円規模のブランドになった。さらに「PUMA(プーマ)」や「UNDER ARMOUR」などのいわゆる5000億円規模のブランドについていえば、世界中で「NIKE」のスウォッシュ(Swoosh)に代わって、「UNDER ARMOUR」のモノグラムロゴや、「New Balance」のNBロゴ、「asics」のうず巻きロゴが強烈に目につき、かつて「NIKE」一色だったスポーツ市場に変化が起きていることが強く実感されている。今後はこれら5000億円クラスが売り上げを大きく伸ばしそうな勢いで、「NIKE」と「adidas」の2強体制に割り込んでくるだろう。

*売り上げ換算:1ユーロ=130円、1ドル=106円

 

グラフ:2017年度各社総売上高(単位:十億円)

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