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Global|人騒がせな「ナイキ」。シューズの破損と「ZOZO」離脱騒ぎ

Mar 4, 2019.久米川一郎Tokyo, JP
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新サービス「ARIGATO」を契機にしたZOZO離れ、そして伊藤忠が仕掛けたデサントへのTOBが2月のファッション&アパレル業界の話題を独占して来たが、ここに来てZOZO、デサントに次ぐ話題企業として「ナイキ(NIKE)」にスポットが当たっている。

まず、テレビなどでも取り上げられているが、米大学バスケットボール界のスーパースターであるデューク大学のザイオン・ウィリアムソン選手が、履いていた「ナイキ」製シューズの内側のソールとアッパーの継ぎ目が試合中に大きく裂けて、負傷した。あり得ない事故だが、翌日ナイキ株は一時1.1%下落して83ドル54セントで終了した。時価総額にして11億ドル(約1200億円)の減少だったという。その後、株価は反騰して現在は86ドル(9546円*)台まで上昇し、史上最高値を更新している。人騒がせなシューズの破損ということになるが、壊れ方がちょっと凄まじく、「こんなことあるか?」と不信感を抱かせたことは事実だ。もう一度このようなトラブルがあれば、それこそ命取りになるだろう。

さて、その「ナイキ」だが、日本でもちょっと話題になった。冒頭に書いたZOZOからの離脱表明ブランドとして「ナイキ」がクローズアップされたのだ。これについて、ナイキジャパンからは「『ナイキ』はZOZOタウンでの販売は続けていく」という表明があった。

なんでそんな混乱する事態になったのか。ことの発端はファッション週刊誌WWDジャパンの連載でスニーカーショップ「アトモス(atmos)」を率いる本明秀文・アトモス社長が「『ナイキ』はセレクトショップや小売店に対して、2020年6月から『ZOZOタウン』での取り扱いを一切やめるように通達を始めた」(同紙2月25日号)と発言したのがきっかけ。これは、セレクトショップや小売店に対してのZOZOタウンでの取り扱いをやめろという勧告であって、ZOZOタウンからの「ナイキ」撤退ということではなかったということだ。これまた人騒がせな「ナイキ」である。

ZOZOタウン離脱ということならゴールドウィンが企画・生産している人気ブランド「ザ・ノースフェイス(The North Face)」がZOZOタウンからの離脱を表明したと夕刊フジ(2月23日号)が報じている。爆発的な人気のブランドだけにちょっとした「事件」である。ところで、これだけ離脱問題で揺れているZOZOだが、株価の方は、反騰体制に入ったのではないかと思われているフシがある。2月8日の1670円、2月15日の1698円、2月20日の1731円を底にして、それ以降は毎日上昇して現在は2月27には2230円まで上がっている。「ARIGATO」のミソギは済んだのか。それともカラ売りの大量買い戻しがあったのかはさだかではないが、底値から30%アップしているから、株価の方は完全復調と見てよさそうだが。


*1ドル=111円換算(3月4日時点)

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