Japan|花王が化粧品事業の新戦略を発表 海外展開の加速、EC販売を拡大
May 30, 2018.Tokyo, JP
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三越伊勢丹ホールディングスの2017年度第2四半期の商品別売上高は衣料品が1057億1300万円(売上構成比:35.2%)、化粧品は320億4000万円(同10.7%)だった。また、三越伊勢丹の基幹3店舗の中で免税売上高が109億3700万円で、店舗の売り上げに占める免税比率が26.8%とずば抜けて高い三越銀座店*の2018年1月の衣料品売上高は約21億1300万円、化粧品を含む雑貨の売上高は約24億1200万円で衣料品を上回っている。
インバウンドの他にも、消耗品である化粧品にはバーゲンがなくほとんどが正価販売であることや、狭い面積で莫大な売り上げを出すため坪効率が高いなどの利点がある。3カ月ほどで買い替えが必要になるものが大半で回転率も洋服に比べて高い。こういった点に早々に気づき、化粧品売り場のてこ入れをしている百貨店はいまだ少数である。売れないブランドでも掛け率を下げて置き続けるという従来のスタイルでは売れるものに面積を割けないばかりか、メーカー側は掛率低下に合わせ生産コスト削減を目指す結果として製品のクオリティが下がり、高品質を求めて百貨店にやってくる顧客との溝を生み出す。これからを見据え、百貨店は売り場構成を抜本的に見直すべきではないだろうか。
*伊勢丹新宿本店は10.3%、三越日本橋本店は1.8%
真実 稔
ファッション気象予報士
百貨店は今、化粧品頼み。化粧品ブランドの皆さんは快晴だ。売れる百貨店には、売り上げトップクラスの美容部員を配置してますます磐石に。インバウンドと日本人顧客の棲み分けが次の関門だ。