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Japan|売り場の主役交代は近い?衣料品に売り上げ迫る化粧品

May 18, 2018.セブツー編集部Tokyo, JP
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今年に入ってから百貨店の化粧品売り場拡大のニュースが続いている。京王百貨店新宿店は今年2月に訪日外国人向け化粧品売り場をオープンし、そごう横浜店はビューティー・コスメフロアの売り場面積の大幅拡大を発表、阪急うめだ本店は3月1日に化粧品売り場を大幅リニューアルした。

これらの動きの背景には化粧品売り上げの順調な伸びがあり、その一番の要因はインバウンドだろう。京王新宿店の動きや前述の3店が改装の理由に混雑緩和を挙げていることからも外国人観光客による購入が増加していることが予測できる。日本政府観光局によると昨年1月から12月の全国の百貨店での免税売上高は約2,704億円で前年比46.3%増、各社の免税売上高も軒並み前年比プラスとなった。特に関西地域の百貨店は免税の月別売上高が2017年10月に100億円を突破し、現在約106億7200万円(2018年1月時点、日銀大阪)と好調に推移している。国内消費を含めて考えると、2018年1月時点で化粧品の伸び率は34ヶ月連続プラスと約3年もの間増加を記録している。その一方で衣料品はゆるやかながら回復はしているが、マイナス基調からは抜け出せていない。

グラフ:近年の衣料品と化粧品伸び率(データは全国百貨店協会より)

 

三越伊勢丹ホールディングスの2017年度第2四半期の商品別売上高は衣料品が1057億1300万円(売上構成比:35.2%)、化粧品は320億4000万円(同10.7%)だった。また、三越伊勢丹の基幹3店舗の中で免税売上高が109億3700万円で、店舗の売り上げに占める免税比率が26.8%とずば抜けて高い三越銀座店*の2018年1月の衣料品売上高は約21億1300万円、化粧品を含む雑貨の売上高は約24億1200万円で衣料品を上回っている。

インバウンドの他にも、消耗品である化粧品にはバーゲンがなくほとんどが正価販売であることや、狭い面積で莫大な売り上げを出すため坪効率が高いなどの利点がある。3カ月ほどで買い替えが必要になるものが大半で回転率も洋服に比べて高い。こういった点に早々に気づき、化粧品売り場のてこ入れをしている百貨店はいまだ少数である。売れないブランドでも掛け率を下げて置き続けるという従来のスタイルでは売れるものに面積を割けないばかりか、メーカー側は掛率低下に合わせ生産コスト削減を目指す結果として製品のクオリティが下がり、高品質を求めて百貨店にやってくる顧客との溝を生み出す。これからを見据え、百貨店は売り場構成を抜本的に見直すべきではないだろうか。

 

*伊勢丹新宿本店は10.3%、三越日本橋本店は1.8%

  • 真実 稔

    ファッション気象予報士

    百貨店は今、化粧品頼み。化粧品ブランドの皆さんは快晴だ。売れる百貨店には、売り上げトップクラスの美容部員を配置してますます磐石に。インバウンドと日本人顧客の棲み分けが次の関門だ。

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