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UK|進化か衰退か?英国プリントメディアの現状

May 14, 2018.Lindsay MacphersonLondon, GB
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デジタルに重きを置く昨今では、プリントメディアの不幸な運命は避けられないようだ。ここ数年は誰の基準に照らしても状況は悪いものだった。いわゆるプリントメディア地獄の最近の犠牲者は、今年の3月に出版を停止した週刊音楽雑誌のNMEで、約70年続いたその歴史に終止符を打ち、同誌のオーナーが紙媒体はもはや経済的に存続できないと宣言した後、オンライン専用モデルに移行した。

英国で最も人気のある雑誌10位にランクインしていたGlamourは、昨年末に毎月発行していたプリント版を2年ごとに制作するコレクターズエディション化し、「デジタルファースト戦略」に舵を切ると発表した。これは2015年にメンズ誌で唯一と言っていいほど影響力のあるFHMやティーン誌のSugar and Bliss、2016年に月刊誌のInStyleがオンラインのみに移行した動きに続くものだ。

トップ100の有料誌の売り上げが2010年から2017年の間で、2380万ポンド(約35億4600万円)から1390万ポンド(約20億7110万円)へと42%減で劇的に落ち込んだというニュースは、プリントメディアの長期的な見通しに影を落とした。アナリストによれば、元W magazineのEdward Enninful(エドワード・エニンフル)が率いるファッション誌の巨人UK VOGUEそしてHarper’s Bazaar UKでさえ読者と広告主がオンラインに夢中になっているとみている。イノベーションによってこの負の連鎖は止められるのか?COSMOPOLITAN UKはそのまれな成功例の一つだ。編集長のFarrah Storr(ファラ・ストー)は2015年後半に就任して以来、従来の競合ではなくYou TubeやNet-a-Porte、Facebookを広告売り上げや読者を奪った主なライバルとして特定。それに沿ってリブランドされた同誌はデジタルとソーシャルメディアの統合に焦点をあて(Snapchatの月間PVは190万に達した)、広告料金を下げ、コンテンツを改良した。彼女の努力は1年で、同誌を17年の歴史で初となる女性誌ベストセラータイトルに輝かせ、2年で発行部数を2倍に増加させた。Marie Claireもイノベーションによって発行部数を2%増加させた。読者イベントと2016年から開始した流通改革、ビューティに特化したオンラインスーパーマーケットOcadoが成功要因といわれている。

しかしながら成功が可能なのはマスマーケットだけではない。独立系やニッチな雑誌は盛り上がりを見せていて、一部のコメンテーターは”プリントルネッサンス”と称して健全な成長を予測している。現時点ではファッションと文化をインテリジェントな視点で切り取ることで知られるThe Gentlewomanが発行部数10万部にも満たないながら2年連続で成長していることや、RC publishingが来月にニューウェーブ・フェミニズムの中核となる問題に取り組むことを目的とした雑誌Modern Woman magazineを発刊することがその例として挙げられる。もう一つの成功モデルとして、雑誌が広告販売とタイアップのみを存続するフリーミアムモデルがある。週刊フリーペーパーのStylistと同グループのメンズ誌Shortlistはそれぞれ40万人と50万人の読者を抱え、最近話題になったフリーミアムモデルのメンズ誌The Jackalは年4回発行でほぼ10万部流通している。同誌は今年2月には英国ラグジュアリー・ブランドが加盟する非営利団体Walpoleが主催する有名なプログラムBrands of Tomorrowに選定された。

*1ポンド=149円で算出(5月14日時点)

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