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Global|デザイナーという不思議な職業

Dec 28, 2019.橋本雅彦Tokyo, JP
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7月に倒産したソニア・リキエル社には、買い手が見つからず一度は消滅した同社に遅ればせながら買い手が現れた。会員制の大手ファッションECサイト「ショールーム・プリヴェ(Showroom Privé)」の共同創業者のエリック&ミカエル・ダイヨン兄弟だ。これで1968年に創業した同社も再び2020年にファッション・シーンに復活することになった。

「ソニア・リキエル(SONIA RYKIEL)」のファン、ファッション関係者はホッと胸を撫でおろしているだろう。買収額は未定だが、そもそもファッションで大儲けしているラグジュアリー・ブランドのコングロマリットやSPA企業がもっと早く名乗りを上げるべきだろう。通りの名前にもなっているほどファッション業界に貢献したソニア・リキエルに対して全くもって失礼きわまる話ではないのだろうか。

今年は2月に「シャネル(CHANEL)」のデザイナーだったカール・ラガーフェルドが死去した。今年のファッション業界の重大ニュースに数えられるような逝去だったが、自分のブランドで本領を発揮することはなくて、「フェンディ(FENDI)」と「シャネル」で「そのブランドDNAを現代に甦らせる」というすばらしい業績を残した秀でた傭兵デザイナーだった。しかし、ある意味では今のファッション業界の閉塞感につながるようなシステムを生み出す張本人になったことを指摘するジャーナリストは皆無だった。ガブリエル・シャネルが死んだ後に、「シャネル」のデザイナーだったフィリップ・ギブルジェのことを誰も思い出そうとしないように、カール・ラガーフェルドも同様な運命を辿るのではないだろうか。

12月21日には、「色彩の魔術師」と呼ばれた天才デザイナーのエマニュエル・ウンガロが86歳の人生に終止符を打った。1996年にサルヴァトーレ・フェラガモ社に会社を売却し、2004年にはファッションの世界から引退した。現在はインターネットビジネスを手掛ける企業家のアシム・アブドゥラ率いるアブドゥラグループが「ウンガロ」ビジネスを行っている。かろうじてエマニュエル・ウンガロの天才的DNAは生き延びている。その商品でエマニュエル・ウンガロのデザインを我々はとりあえず偲ぶことができる。そして輝かしい彼の全盛期のデザインはアーカイブとそれを知る人々の記憶の中でのみ生き続ける。

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