
日本を代表するデニムブランド「エドウイン(EDWIN)」が、京都・三条のコンセプトショップ「EDWIN KYOTO SANJO」のオープン1周年を記念して、「幻のジーンズ」を100本限定で復刻した。価格は26,400円。10月17日から同店限定で販売が始まっている。
京都三条店は2024年10月11日にオープン。東京・原宿にあるコンセプトショップ「EDWIN TOKYO HARAJUKU」と並ぶ旗艦拠点として、国内外のエドウインファンが訪れる場所だ。店内では、グローバルラインのデニムをはじめ、全て日本製にこだわったプロダクトを展開している。京都の伝統的な町家の趣を活かした内装も特徴で、古都の静けさとデニムカルチャーが調和する空間として人気を集めている。
そんな京都三条店の1周年を記念し、エドウインが選んだのは、ブランド黎明期の象徴とも言える一本、「クッキーロゴ」入りの初期モデルだ。波打つような形状のロゴが特徴的で、通称「クッキーロゴ」と呼ばれている。ブランド創設前後の、まだ日本のジーンズ文化が根付いていなかった時代に誕生したとされる、「エドウイン」最古の一本である。
しかし、この「クッキーロゴモデル」は長年にわたり実物が確認されず、「エドウイン」の本社アーカイブにも存在しなかったことから、「幻のジーンズ」としてコレクターの間で語り継がれてきた。その伝説の一本が再び姿を現したのは、ある熱心なコレクターからの寄贈がきっかけだったという。スタッフが実物を前に「いつか必ず復刻します」と約束し、今回の周年に合わせてその約束が果たされたわけだ。
復刻モデルは、当時の縫製のゆらぎや、特徴的なWステッチ、インサイドネームの位置まで、当時のディテールを忠実に再現している。一方で、素材面では現代の技術を採用。サステナブルなモノづくりを象徴する一本に仕上がった。
使用されているのは、1832年創業の老舗・長瀬産業、オー・ジー長瀬カラーケミカル、そしてマイクロバイオファクトリーの3社が共同開発したリサイクルインディゴ染料「エンジーブルー(EnzyBlue)」。廃棄された繊維を再生して染料を抽出し、環境負荷を大幅に低減した新技術だ。伝統と革新が交わるこの素材選びは、京都という土地の文脈とも深く響き合う。
その融合こそが、「エドウイン」の1周年を象徴するテーマだ。古き良きデニムカルチャーを大切にしながらも、持続可能な未来へ向けて進化を続ける同ブランドの姿勢が、この限定モデルには詰まっている。
「最古」のモデルと「最新」の技術が融合し、「古都」で迎える一周年にふさわしい「エドウイン」の過去と未来を繋ぐ記念碑的なジーンズとなりそうだ。