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アシックスに完敗?いや反撃はこれからだ 「ミズノ vs アシックス構図」を読み解く【いづも巳之助の一株コラム】

Aug 9, 2025.いづも巳之助Tokyo, JP
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ミズノの第1Qの売上高は過去最高。だけど株価はすぐに▲9%急落。理由は簡単、「販管費が重いから」。アシックスの販管費増3.5%に対して、ミズノは+10%も。営業利益率もアシックス13.5% vs ミズノ9.9%。今日は、「ミズノはアシックスに完敗じゃないか!」という短絡的な話に対し、巳之助が「今後の2年スパンだったらわからんぞ」と反撃に出るよ。

長い間、アシックスに海外展開で遅れをとってきた。アシックスは、野球用具をほとんどやめてでもランニングシューズで選択と集中を行い、世界に勝負に出た。一方、ミズノはいつまでたっても野球、ゴルフ、バレー、卓球など多競技に手を広げ、中途半端になっていったというのが、最近までの経緯だ。しかし、とうとうミズノが反撃に出た。それは、国ごとにミズノ製品で最もウケるスポーツを配置していったからだ。

例えば、米国ではゴルフ、アジアはフットボールやバレー、欧州はランニングシューズや各スポーツシューズ、台湾に至っては、安全靴やユニフォームなど、とにかく各国のスポーツの成長の波や競技ブームを見ながら、メイン商材を替えていくスタイルをとったんだよ。まるで分散投資の様だね。

特に秀逸なのは、中国でのライセンスモデルの爆伸び。たった3年で売上3倍。しかも超軽量ビジネス。店舗や人員、在庫を抱えず、今回の第1Qでは、49億円(前年同期比+32.4%)に成長するに至った。売るよりライセンスを貸す方が勝ち筋なのかもしれない。

海外はカントリーリスクが常につきまとうため、このビジネスモデルはもしかしたら他の国々でも採用できる可能性がある。アーチェリーとかトライアスロン、卓球など競技人口が少ないものは、この中国スタイルを採用するとニッチ市場は押さえられると思う。今後、世界でマーケットを広げていくのは、何でも自前が良いという事でもないしね。

そうすると中長期では、ひとつのスポーツ、ひとつのアイテムで勝負するのも賢いが、ライセンスビジネスでいくつかのジャンルを網羅するミズノの商売スタイルもコストダウンやリスクヘッジとしては、優れているのではないか。アシックスは選択と集中で一発を狙い、ミズノは分散と継続で複数のヒットを拾っていく。

今回、ドーンと株価が下がったが、業績的に失速したわけでなく、一時的な反応に過ぎない。でも今は、とうとう方向性が見えてきたミズノ株の方が、まだまだ伸びしろがあるよ。

▶巳之助メーター 2ニョロ 監視でも打診買いでも
近い将来、配当もしっかり上げてくるような勢いだ。
(1ニョロ=素通り 2ニョロ=監視 3ニョロ=今だ!)

■プロフィール:いづも巳之助
プライム上場企業元役員として、マーケ、デジタル事業、株式担当などを歴任。現在は、中小企業の営業部門取締役。15年前からムリをしない、のんびりとした分散投資を手がけ、保有株式30銘柄で、評価額約1億円。主に生活関連の流通株を得意とする。たまに神社仏閣への祈祷、占い、風水など神頼み!の方法で、保有株高騰を願うフツー感覚の個人投資家。

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