アシックスは8月13日、2024年12月期の中間期決算(1〜6月期)を発表した。売上高は3421億9900万円(前年同期比18.0%増)、営業利益は589億9600万円(同75.5%増)、親会社株主に帰属する中間純利益は422億1900円(同70.3増)と大幅な増収増益だった。
アシックスは売上高の85%を海外で売り上げており、「世界中で売れているグローバルブランド」と呼ばれるに相応しい決算内容であった。景気後退の影響がラグジュアリーブランドの決算に影を落としている中国本土でさえ前年同期から21.1%増と大幅な増収を達成しており、さらに日本を始め、北米や欧州、オセアニア、東南・南アジア、南米・韓国のすべての地域で増収となった。
中国本土を含めた中華圏は、売上高は530億円(前年同期比31.3%増)、日本は451億円(同24.2%増)、北米は677億円(同21.1%増)、欧州は915億円(同16.9%増)、オセアニアは206億円(同9.4%増)、東南・南アジアは176億円(同31.1%増)、南米・韓国は243億円(同0.7%増)だった。
アシックスは今期、通期での売上高を6600億円と予想しているが、コロナ禍であった2020年度から4期連続の増収となりそうだ。3288億円だった2020年12月期の売上高は、4年で2倍超となる見込みだ。
この好業績は、ランニング需要とインバウンド需要によるものだ。軽量で反発性に優れたランニングシューズを展開しているパフォーマンスランニング部門は、アスリートから市民ランナーまでをサポートしており、前年同期から15.6%増となる1709億円を計上している。北米では特にランニング専門店向けの売り上げが前年同期の27.9%増となり、アシックス人気がうかがえる。マラソンのハイシーズンである秋に向けて、アシックスはパフォーマンスアイテムを積極的に投入していく考えだ。
そして、アシックスは旺盛なインバウンド需要を世界中で取り込んでいる。日本でのインバウンドの売上高は同期間で過去最高を達成しており、451億円のうち100億円がインバウンドによるものだ。「オニツカタイガー(Onitsuka Tiger)」も日本、中華圏、東南・南アジアでのインバウンド需要を取り込んだことで、前年同期から55.1%増となる438億円の売上高を計上している。
アシックスの2024年12月期通期の連結業績予想は、売上高は6600億円(前年比15.7%増)、営業利益は950億円(同75.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は580億円(同64.4%増)としている。