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立ち退き閉鎖の西麻布インターナショナルスクールに関わるプラダジャパン訴訟女性とUA名誉会長

Jun 2, 2023.三浦彰Tokyo,JP
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閉鎖された「シャトースクールジュエリーボックス」(撮影:セブツー)

西麻布にある児童教育施設「シャトースクール "ジュエルボックス"(CHATEU SCHOOL "JEWEL BOX")」が家賃滞納で、施設所有者(ビクトリノックス・リアルエステート)から立ち退きを求められ、東京地裁の執行官による強制執行を受け、今年3月20日突然閉鎖された。この施設閉鎖騒ぎが5月末になって、テレビなどで一斉に報じられることになった。これはこの私塾に通う0歳〜6歳の100人ほどの園児の保護者が授業料(平均年間500万円)の返還を求める動きを始め、マスコミなどにタレ込んだためだ。

このインターナショナルスクールを自称する「シャトースクール」が開校したのは2015年6月1日だ。経営が芳しくなかったのか、2017年あたりから家賃滞納が始まって、2017年11月には立ち退き命令が東京地裁から下された。教育機関であることから、強制執行はされずに、状況打開に向けた交渉が行われたようだ。シャトースクール側も代わりの場所を探すなどしたが、それから5年が経過して遂に今年の3月に東京地裁による強制執行が行われ、シャトースクールは完全閉鎖。学校側は一時近くの民家を借りてスクールを継続したが、今はこの場所からも退去しているという。

家賃滞納、強制執行による退去というよくあるパターンだが、西麻布という高級住宅地で高額の授業料のインターナショナルスクールの閉鎖というのがテレビや週刊誌の興味を引いたようだ。

さらにこの「シャトースクールジュエリーボックス」には、2人のファッション業界人が関係しているのが注目される。一人はこのスクールの創立者であるリナ・ボヴリース(本名・高桑里奈、ボヴリースは離婚した夫の苗字でリナ・ローズが現在の通称)氏だ。このボヴリース氏(1974年生まれ)は、2009年、プラダジャパンに対して「不当解雇」を行ったとして東京地裁に訴えを起こした元従業員だ。結局2012年に東京地裁はリナ・ボヴリースの主張する「上司からの容姿に関する誹謗(肥満を理由に退職を匂わせた)は事実が認められない」、また「シーズンごとに70万円の服装手当が支給された上で、別のブランドの製品を身につけて出勤していたことを会社側が注意するのは社会通念上、相当」としてリナ・ボヴリースの訴えを退けた。一方「体型に関する発言は配慮を欠いた面がある」としてプラダジャパン側の瑕疵を認めた。

「シャトースクール」に関わるもう1人のファッション業界人は、なんとユナイテッドアローズ(UNITED ARROWS)の創業者で現名誉会長の重松理(しげまつおさむ、73歳)氏だ。自ら出資してシャトースクールのオープニングの2015年7月6日には、「自分には子どもがいないが、これからの日本の未来を考えたとき、子どもの教育が最も必要だと感じ、このシャトースクールの事業に参画した。日本から発信される新世代のためのインターナショナルスクールは、世界の革新的な教育サービスの最先端をいくべきだ。シャトースクールの教育はすべて英語で、モンテッソーリ教育に基づいた哲学と教材を用いることにも賛同しています」と語っている。その経営手腕はファッション業界では高く評価される重松氏だが、苦境に立つシャトースクールをなんとかして欲しいものだが。

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