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Global|新型コロナウイルスの感染拡大は本当に2月がピークか?

Feb 21, 2020.久米川一郎Tokyo, JP
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中国人観光客がいなくなった銀座

大型クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号の80歳代の日本人男女が2月20日に死亡したことにより、新型コロナウイルスによる国内の死者が3人になった。

また、感染経路が分からない感染者も出始めており、いよいよ日本でも「市中感染」の段階に入ったと言われている。

ファッション業界に対する影響も大きくなり、北京や上海で開催予定だった大型イベントも延期・中止が相次いでいる。その代表的なイベントにはISPO北京(2月12~16日、延期)、インターテキスタイル上海(3月11~13日、延期)、上海ファッションウィーク(3月26日~、延期)北京ファッションウィーク(3月25~31日、延期)などがある。中国国内だけではなく、日本で行われる予定の中国のファッション展示会・商談会も中止や延期されている。東京で開催予定だったアセアン縫製用素材展(2月20、21日。中止)や中国高級アパレル&素材展示商談会(3月10、11日、東京国際フォーラム。6月22、23日に延期)、中国山東省輸出商品展示商談会(3月12~14日。マイドーム大阪。8月18~20日に延期)などがある。感染の可能性の高い中国人が大量に来日することを危惧した中止・延期の決定だ。日本だけではなくミラノ・コレクション(2月18~24日)では中国人デザイナー8人が参加をキャンセル、パリ・コレクション(2月24日~3月3日)でも中国人デザイナー6人が参加を取りやめた。

まだミラノ・コレ及びパリ・コレでの日本人デザイナーのキャンセルの情報は今の時点で入っていないし、東京コレクション(3月16~21日)については今のところ予定通り行われる見込みではあるが、「市中感染」が予想外のペースで拡大するようなことがあれば東京コレクションも延期などの事態も考えられる。

中国人の訪日者数が激減しており、インバウンド比率の高い一部の東京の百貨店は2月はかなり売り上げを落としそうだが、そればかりではなく欧米からの来日者数も日を追うごとに減少している。中国に次ぐ新型コロナウイルスの感染国という認識が定着してしまうとしばらくはこうした状態が続いて、2020年の訪日外国人数4000万人の政府目標の達成はおろか、2019年の3188万人(2018年比2.2%増)を下回るような事態も考えられないではない。

さらに、中国からの縫製品や化粧品容器(ノズル、ポンプ、ラミネートチューブなど)などが日本に入ってこなくなって、春物や春の新製品に影響が出始めているという。とにかく新型コロナウイルスの猛威が一向に収束の気配を見せない現在、あらゆる方面で影響が出始めている。専門家の意見では2月が感染拡大のピークという見立てだが、とてもそうは思えない状況であり、東京オリンピック・パラリンピックの開催にまでこの影響が及んでしまうような最悪の事態も考えられないではない。

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