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はるやまHDの第1四半期は赤字拡大 猛暑向け新作&岩田剛典起用も6月の販売が伸び悩み

NEWAug 11, 2025.セブツー編集部Tokyo, JP
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撮影:セブツー

紳士服大手のはるやまホールディングス(以下、はるやまHD)は8月8日、2026年3月期の第1四半期決算を発表した。売上高は74億8500万円と前年同期比1.4%減。営業損益は6億8300万円の赤字(前年同期は1億3800万円の赤字)、純損益も9億800万円の赤字(同3億2700万円の赤字)と、いずれも赤字幅が拡大した。

はるやまHDは新しいビジネスウェア「はるやま NEW BIZ WEAR」を今期の戦略商品として掲げ、5月30日から岩田剛典をブランドアンバサダーに起用し、地上波テレビやデジタル広告を含む全国的なプロモーションを展開した。「猛暑でも涼しく快適に過ごせる」機能性を前面に押し出し、購買単価は前年を上回る水準で推移した。しかし、6月前半は天候要因なども重なり、売上高の押し上げには至らなかった。

利益面では、積極的なマーケティング施策や店舗の出退店・改装に伴う設備投資が響いた。販管費は前年同期から4億3800万円増加し、営業損失を拡大させた。特に広告宣伝費や店舗改装関連費用が先行して計上されており、短期的な収益悪化を許容しての攻めの姿勢がうかがえる。

はるやまHDは通期の連結業績予想を据え置いた。売上高は375億円(前期比3.8%増)、営業利益は6億3000万円(同0.7%増)と小幅な増益を見込む。一方、純利益は5億円(同25.4%減)と減益予想で、広告・設備投資の負担が引き続き重くのしかかる見通しだ。

紳士服市場はコロナ禍以降、リモートワークの浸透やカジュアル化の進行で需要構造が変化している。はるやまHDは「快適性」と「機能性」を武器に、従来のスーツ需要からビジネスカジュアル市場まで裾野を広げようとしている。岩田剛典の起用は若年層・都市部のビジネスパーソン層への浸透を狙ったもので、はるやまHDのイメージ刷新の試金石となる。

ただし、猛暑需要を確実に売上へと転換できるかは、販促のタイミングやECとの連動強化が鍵となる。6月30日には不正アクセスによるシステム障害が発生したことも発表している。広告宣伝費が先行する中、今後の販売動向が投資回収の成否を左右しそうだ。

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