BUSINESS NEWS
  • share with weibo
  • share with LINE
  • share with mail

ルックHDが営業益30%減 韓国立て直しと収益性重視戦略、買収防衛策も更新でガバナンス強化

NEWFeb 15, 2026.高村 学Tokyo, JP
VIEW23
  • share with weibo
  • share with LINE
  • share with mail
撮影:SEVENTIE TWO

ルックホールディングスは2月13日、2025年12月期の通期連結決算を発表した。売上高は521億7000万円(前年比4.8%減)、営業利益は17億5900万円(同30.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は14億7400万円(同23.4%減)と減収減益となり、利益面で厳しい結果となった。

同社は「A.P.C.(アーペーセー)」「マリメッコ(marimekko)」「イル ビゾンテ(IL BISONTE)」など欧米ブランドを日本およびアジア市場で展開している。ブランド力の高いポートフォリオを持つ一方、消費環境の変化や地域ごとの収益構造の違いが業績に影響した。

一方で、収益体質の改善も進んでいる。売上総利益率は前年の59.95%から60.36%へと0.41ポイント上昇。売上高が減少する中でも粗利率を高めた点は注目される。これは、「イル ビゾンテ」の高輪ゲートウェイ店や「マリメッコ」の大丸東京店など主力ブランドの戦略的な新規出店を進めつつ、不採算店舗の整理を加速させたことが奏功したためだ。さらに販管費も期初計画を下回り、コストコントロールの徹底が利益率の下支えとなった。

業績全体を押し下げた最大の要因は韓国市場だ。現地ではセール販売比率の上昇により粗利益率が低下。売上高は258億2600万円(前年比9.1%減)、営業利益は9億200万円(同44.8%減)と大幅な減益となった。韓国は同社にとって重要市場であるだけに、立て直しが急務となっている。今期はフランス発のコンテンポラリーブランド「スール(SOEUR)」の独占輸入販売を開始するなど、新ブランド投入による再成長戦略を打ち出す。

国内アパレル関連事業は、春物・秋物商戦が天候不順の影響を受けたものの、売上高は243億2800万円(前年比0.3%増)と増収を確保。営業利益は17億3800万円(同3.8%減)とやや減益だったが、底堅い推移を見せた。ブランドごとの商品力強化や在庫管理の最適化により、大幅な落ち込みは回避した格好だ。

欧州事業は売上高38億2400万円(前年比4.9%増)と増収となったものの、営業損失1億8300万円(前年は2億3600万円の赤字)と赤字が継続。ただし赤字幅は縮小しており、改善傾向はみられる。米国や東南アジアなどその他地域は売上高4億5900万円(同12.0%増)、営業損失2600万円(前年は5700万円の赤字)と、売上拡大とともに損失縮小が進んでいる。

2026年12月期の通期業績予想は、売上高460億円(前年比11.7%減)、営業利益17億円(同3.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益16億円(同8.5%増)を見込む。売上高は保守的な計画とした一方、純利益は増益を見込んでおり、収益性重視の経営姿勢が鮮明だ。今期は国内9店舗、海外7店舗の出店を計画し、選択と集中を軸とした店舗戦略で事業基盤の安定化を図る。

さらに同社は、2026年3月開催予定の定時株主総会まで有効な「株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)」について、基本方針や手続きの枠組みを見直した更新案を取締役会で決議したと発表した。株主総会での承認を経て継続する方針で、企業価値および株主共同の利益を守る体制を整える。

韓国事業の再建、新ブランド投入、収益性重視の店舗戦略、そしてガバナンス強化。ルックHDは足元で減収減益となったものの、構造改革を進めながら中長期的な成長基盤の再構築を急いでいる。今期はその成果が問われる1年となりそうだ。

READ MORE