
経営陣によるMBO(マネジメント・バイアウト)に向けてTOB(株式公開買い付け)を進めている化粧品メーカーのマンダムは11月19日、買い付け期間を再び延長すると発表した。当初は11月10日までの予定だったが、一度目の延長で11月19日までに変更され、今回さらに12月4日まで引き延ばされることになった。MBOを主導するCVCキャピタル・パートナーズ系の買収スキームが想定どおり進んでいない可能性があり、注目が集まっている。
背景にあるのは、旧村上ファンド系の投資会社のシティインデックスイレブンスの存在だ。同社はマンダム株の買い増しを積極的に進めており、11月4日時点で発行済株式の約21%を保有していることが明らかになっている。大量保有報告書などから、同社の実質的なオーナーはアクティビストの第一人者として知られる村上世彰氏の長女、野村絢氏とされている。
今回のMBOは、英投資ファンドのCVCキャピタル・パートナーズ系が設立した買収目的会社、カロンホールディングスが主体となり、1株1,960円でTOBを進めるというもの。これはTOB発表当日の終値を約32%上回る買い付け価格で、一定のプレミアムが付いた提示になっている。
しかし、状況は発表直後とは大きく変わりつつある。TOB期間の再延長を発表した11月19日のマンダム株の終値は2,354円。TOB価格を大きく上回る水準で推移しており、この価格では応募が集まりにくいという見方が強くなっている。
TOBの成立可否は今後の買い付け応募状況に左右されるが、現状の株価動向を見る限り、CVCとマンダム経営陣が描いた非上場化シナリオは容易ではない。株価の高止まり、アクティビストによる大量保有、そして延長を重ねるTOB期間。12月4日の新たな期限に向け、マンダムのMBOは正念場を迎えている。










![[[name]]](/assets/img/common/sp.png)