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Japan|オンワード樫山の鈴木恒則次期社長はどんな人物か?

Jan 18, 2020.久米川一郎Tokyo, JP
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2019年9月に600店閉店を日本経済新聞に報じられて、その後の日本の「閉店」ラッシュの先駆けになったオンワードホールディングスだったが、その中核会社のオンワード樫山の次期社長が発表になった。鈴木恒則氏がその人だ。現在の大澤道雄社長は2017年3月の就任だったから、3年の任期。社長任期は一期2年だから、任期半ばでの退任とも言える。この3年間でやった最大のことは、オンワードホールディングスが置かれている状況が思った以上に悪いことを社内外に知らしめたことと言えるだろう。早期退職募集も実施しているが、他社と違って信賞必罰が徹底している会社で、実力がないと分かれば黙って退社する企業だから今更早期退職募集と看板を出してもという気はするが、日本の会社の悪しき慣習と言うのか、早期退職募集をしたならトップの人間は「腹を切る」=社長退任ということで大澤社長は会長になったようである。

オンワード樫山の社長というのは、言ってみれば日本アパレル業界の社長のような存在だった。「だった」と過去形で書いたのは、すでにその上に、ホールディングス会社があってその代表取締役会長や代表取締役社長が段上の存在になったからである。そうは言ってもそのオンワード樫山の歴代社長を書き出してみると、

初代:樫山純三(1927年創業、創業者)
二代:馬場彰(1974年4月就任、現名誉顧問)
三代:廣内武(1997年3月就任、現オンワードホールディングス名誉会長)
四代:上村茂(2005年3月就任)
五代:水野健太郎(2008年5月就任)
六代:馬場昭典(2011年9月就任、現チャコット社長)
七代:大澤道雄(2017年3月就任、次期取締役会長)
八代:鈴木恒則(次期社長)

この8人の中核企業オンワード樫山社長を見ると、鈴木恒則氏はメンズウェア&営業畑という同社にとっては久方振りの「本流」であることが分かる。大澤現社長はオンワード 商事で実績を上げ、またオンワード樫山でも海外生産に通じた生産系の人物だった。その前任の馬場昭典氏はレディスウェアの企画系だった。営業畑というと水野健太郎氏まで逆上らなければならない。社内では今回の人事については、「きわめて順当な人事」の声が多いと聞く。オンワード樫山は、メンズ閥とレディス閥、企画系と営業系という、一種の派閥があって、祖業であるメンズ閥、百貨店と同体とも言うべき営業系というのはまさしく本流である。また、オンワードホールディングスの専務取締役国際事業担当だった経歴からも分かるが、英語が堪能だという一面もある。オンワードグループにとっては、創業以来の難局とも言えるが、切り札的存在とも言える鈴木氏の登場のようである。注目したい。

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