BUSINESS NEWS
  • share with weibo
  • share with LINE
  • share with mail

「ユニクロ」「GU」に続くファストリの第3の柱への成長を目指す 「プラステ」が村田晴信をクリエイティブディレクターに起用

NEWOct 21, 2025.高村 学Tokyo,JP
VIEW1026
  • share with weibo
  • share with LINE
  • share with mail
撮影:セブツー

ファーストリテイリング傘下のブランド「プラステ(PLST)」が、新たなステージに踏み出す。運営するプラステは10月21日、都内でブランド戦略発表会を開催し、2025年秋冬シーズンからクリエイティブディレクターに村田晴信を迎え、ブランドミューズに俳優の桐谷美玲を起用すると発表した。

「ユニクロ」「ジーユー(GU)」に続く第3の柱として位置づけられる「プラステ」は、全国に43店舗を展開。そのうち12店舗は「ユニクロ」店内に併設されており、グループ内での連携を強化している。10月24日には大阪・梅田にオープンするグローバル旗艦店「ユニクロ 梅田」の1階にも新店舗を出店。大規模店舗に併設することで存在感を高める。

近年はブランド認知が大きく向上しており、2024年8月期には5期ぶりに黒字転換。2025年8月期は大幅な増収増益で業績も回復基調にある。背景には、生産体制の抜本的な見直しがある。取引先工場を10数社に絞り込み、品質とコストの最適化を図った。また、ファーストリテイリンググループの販促イベント「ユニクロ感謝祭」にも参加し、シナジー効果を高めたことが奏功した。

従来の「きれいめ通勤服」「セレモニー服」といったイメージを刷新し、今後は「高品質で中価格帯のカジュアルブランド」へと方向転換する。発表会に登壇したファーストリテイリング取締役でプラステ社長の岡﨑健氏は、「試行錯誤を重ねながらも、大きく育てていきたい。ファーストリテイリングのリソースを最大限に活かし、独自のポジションを確立してほしい」とコメント。ブランド再生への意欲を語った。

同社の中島徹郎COOは、クリエイティブディレクターに起用した村田晴信について「一番やってほしいと思っていた人物」としており、上質で現代的なリアルクローズを得意とする村田晴信に期待を寄せる。村田晴信は「ジル・サンダー(Jil Sander)」のレディスのデザインチームなどを経て、自身のブランドを設立。アパレル企業との協業は今回が初だという。

2025年秋冬コレクションでは、滑らかなウール混素材のロングコートやシャツコート、自宅で手洗い可能な中綿ブルゾンなど、機能性とデザイン性を両立させたアイテムを展開。特に一枚仕立てのウール混ロングコートは「新生プラステ」の象徴として打ち出す。軽く、羽織るだけでスタイルが決まるシルエットを追求したという。

さらに成長戦略として、ウィメンズラインの強化、コア商品の確立、人材育成の3点を重点テーマに掲げる。「ユニクロ」との人材交流も進み、店長クラスのスキルが向上。販売現場の力が大幅に底上げされているという。

「ユニクロ」「GU」に続くファーストリテイリングの中核ブランドとして、再び本格的に始動する「プラステ」。桐谷美玲をミューズに迎え、ファッションとライフスタイルをつなぐ新しい上質カジュアルを打ち出す2025年秋冬。グローバル企業の次なる一手として、その動向に注目が集まる。

READ MORE