ファーストリテイリングは9月、「UNIQLO UNIFORM」事業を拡大すると発表した。企業・学校・団体などの導入件数は2026年8月期に2万件超へ。法人営業・生産管理・マーケティングを束ねた「ユニフォーム&カスタマイズ部」を新設し、まさに第二の柱として立ち上げた。
素材はそのまま、無地のシャツにロゴを刺しゅうすれば即ユニフォーム。アパレルの中間コストを排した「SPAモデルのBtoB版」だ。PEACHの旅客スタッフ、トヨタ販売店、院庄林業、そして全国の学校──気づけばユニクロは、「働く服」「学ぶ服」を同じレールで作っている。制服は3層構造──企業×学校×スポーツ。今の「ユニクロ」は、3つの「制服」を動かしているんだ。
① 企業ユニフォーム
「UNIQLO UNIFORM」として、全国の法人や地方自治体へ展開中。乃村工藝社・雪印メグミルクなども採用。
② 学校制服
全国で標準服採用が進む。「感動ジャケット」や「EZYパンツ」が制服化し、店頭・ECでいつでも買える。巳之助は先日、学校関係者から「百貨店から手を引いて、ユニクロと手を組む事例が多くなっている」と聞いたよ。やっぱり静かにコトが進んでいるんだな。
③ スポーツ代表ユニフォーム
2019年からスウェーデン代表の公式ウェアを提供。東京五輪からパリ大会まで4大会連続で採用され、「動きやすく美しい」制服の哲学を世界に示した。
つまり「ユニクロ」はすでに「生活のすべての制服」を握りはじめているのだ。世界のユニフォーム・ワークウェア市場は約6800億ドル規模。成長率5〜6%で拡大しているが、いまだ大手ファッションブランドの参入は少ない。ナイキやアディダスがチームユニフォームを、ランズエンドが企業制服を、それぞれ局所的に手がける程度。
ここに「ユニクロ」が入れば、「LifeWear=生活の制服」という新カテゴリーが成立する。すでに香港では「UNIQLO UNIFORM」が稼働中。次は、教育・医療・スポーツ・自治体という4つの公共領域をどう押さえるか。「服を変え、世界を変える」柳井イズムの再演だ。
◾️投資判断は?
株価は4万8000円台。PER34倍・PBR6倍台で一見高値圏だが、EPS成長率とブランド資産を考えれば割高感は薄い。営業利益率16.6%、国内売上1兆円、海外1.9兆円、収益軸はすでに三本足。BtoBユニフォーム事業が1000億円規模まで育つと仮定すれば、まだ天井は遠い。
▶︎巳之助メーター 2ニョロ 監視
押し目は4万5000円前後、BtoB事業の海外展開報道が出たら3ニョロ今こそ
勇気あるサラリーマン株主は、500万円を用意のこと(笑)
プロフィール:いづも巳之助
プライム上場企業元役員として、マーケ、デジタル事業、株式担当などを歴任。現在は、中小企業の営業部門取締役。15年前からムリをしない、のんびりとした分散投資を手がけ、保有株式30銘柄で、評価額約1億円。主に生活関連の流通株得意とする。たまに神社仏閣への祈祷、占い、風水など神頼み!の方法で、保有株高騰を願うフツー感覚の個人投資家。