
欧米を中心としたファッション&ビューティ関連33銘柄で構成する「SVT グローバル」は3月5日、構成銘柄の騰落率合計がマイナス30.07%となり、前日の反発から一転して再び下落した。
今回の一連の値動きは、この数日の相場の流れをそのまま映している。発端は米国の物価指標をきっかけとした金利高止まりへの警戒で、まず中間層向けブランドを中心に米国ファッション株が下落した。その後、イランを巡る中東情勢の緊迫化が加わり、原油価格の上昇や世界経済への影響が懸念されると、売りは欧州ラグジュアリーやスポーツ、ビューティにも広がり、3月2日には「SVT グローバル」がクラッシュ級の下落を記録した。3月4日には急落後の買い戻しで一時反発したものの、3月5日は再び下落し、市場心理がまだ安定していないことを示している。今回の一連の動きは、ファッション&ビューティ業界が消費環境だけでなく、金利や地政学リスクといった世界情勢の影響も強く受けるセクターであることを改めて浮き彫りにした。
また、今回の下落で特徴的だったのは、ラグジュアリー株が全面安にならなかった点だ。銘柄ごとに値動きが分かれ、選別色の強い相場となった。主な銘柄の騰落率は次の通り。
エルメス・インターナショナル -1.58%
LVMH -0.32%
ブルネロ クチネリ -1.08%
一方で、上昇した銘柄もあった。プラダは33銘柄の中で騰落率はトップだった。ラグジュアリーは通常、富裕層の消費に支えられるため景気の影響を受けにくいとされる分野だ。しかし最近の相場では、同じラグジュアリー企業でも評価の差が広がっている。今回の動きも、業績期待やブランドの勢いなどを背景に、銘柄ごとの選別が進んでいることを示している。
プラダ +2.36%
バーバリー +1.51%
フェラガモ グループ +1.15%
モンクレール +0.78%
ウォッチ&ジュエリーはやや弱かった。スイスの時計企業は中国市場への依存度が高く、中国消費の回復ペースに対する不安が株価に影響しやすい。今回の下落も、中国関連需要への慎重な見方が背景にある可能性がある。
リシュモン -1.37%
スウォッチ・グループ -2.19%
米国ブランドは全体的に弱い動きだった。特にタペストリーの下落が目立ち、中間層向けブランドの株価が依然として不安定であることを示した。
タペストリー -4.71%
VFコーポレーション -2.41%
ラルフ ローレン -1.78%
カナダグース -1.80%
リーバイ・ストラウス -2.55%
スポーツ分野も方向感の定まらない展開だった。特にオールバーズの下落が目立ち、成長株に対する投資家の慎重姿勢がうかがえる。スポーツブランドは市場拡大の期待から高く評価される銘柄も多いが、消費関連株として景気の影響を受けやすい側面もある。
アディダス +2.33%
オン +0.32%
アシックス -2.02%
ナイキ -1.06%
アンダーアーマー -1.47%
オールバーズ -6.45%
世界情勢や経済環境の不透明感が続くなか、今後のファッション&ビューティ株は業界全体の動きというよりも、企業ごとの強さや市場ポジションの違いがより鮮明に表れる相場が続く可能性がある。
※「SVT グローバル」は原則として本国のプライマリー上場市場の株価を採用
※本データは現地通貨建て株価ベースで算出しており、為替変動の影響は考慮していない
※「SVT インデックス」グローバル版採用33銘柄
LVMH、エルメスインターナショナル、ケリング、プラダ、バーバリーグループ、フェラガモグループ、ブルネロ クチネリ、モンクレール、リシュモン、スウォッチグループ、ファーストリテイリング、インディテックス、ヘネス・アンド・マウリッツ、ヒューゴボス、エルメネジルド・ゼニア・グループ、ラフルローレン、タペストリー、PVHコーポレーション、カプリホールディングス、VFコーポレーション、カナダグースホールディングス、デッカーズ・アウトドア・コーポレーション、リーバイ・ストラウス&カンパニー、ナイキ、アディダス、アシックス、ルルレモン・アスレティカ、アンダーアーマー、コロンビア・スポーツウェア、オールバーズ、オンホールディングス、ロレアル、ユニリーバ









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