
欧米を中心としたファッション&ビューティ関連33銘柄で構成する「SVT グローバル」は3月2日、構成銘柄の騰落率合計がマイナス95.20%と急落した。ほぼ全面安となり、通常の調整を超える「クラッシュ級」の下落となった。
今回の急落の背景には、中東情勢の急激な緊迫化がある。週末、米国とイスラエルによる軍事行動でイランの最高指導者ハメネイ師が殺害され、イランを巡る緊張は一気に高まっている。ホルムズ海峡を事実上封鎖するなど、原油の供給ルートに影響が出るとの懸念も浮上し、原油価格は上昇。これを受けて世界経済への影響が警戒され、市場心理が急速に冷え込んだ。
特に下げが大きかったのは欧州ラグジュアリーだ。LVMHは4.34%安、エルメス・インターナショナルは4.00%安、ケリングは5.04%安。ウォッチ&ジュエリーではリシュモンが5.72%安、スウォッチ・グループは6.53%安と急落した。原油価格の上昇は、輸送コストや原材料費の増加につながる可能性がある。また、物価上昇への警戒感が再び強まれば、各国の金利が高い状態が長引くとの見方も広がりやすい。ラグジュアリー企業は中国市場への依存度も高く、世界経済の不透明感が強まれば中国の消費回復への期待も揺らぎやすい。富裕層向けブランドまで大きく売られた今回の局面は、単なる消費不安ではなく、より広い経済環境の変化を市場が警戒し始めたサインと見ることもできる。
米国ブランドも軟調だった。ラルフ ローレンは2.34%安、PVHは2.93%安、VFコーポレーションは2.52%安、カプリ・ホールディングスは5.07%安。アディダスは4.33%安、ルルレモンは4.86%安とスポーツ分野も大幅安となった。前週は中間層向けブランドの下げが目立ったが、今回はラグジュアリー、スポーツ、ビューティと分野を問わず売りが広がった点が特徴だ。ロレアルは4.14%安、ユニリーバも2.58%安と下落し、防御的と見られがちな銘柄にも波及した。
今回の急落は、世界経済の先行きへの不透明感が一気に高まった結果といえる。原油価格や地政学的な緊張の行方が見通せない状況が続く限り、ファッション&ビューティ関連株は不安定な動きを余儀なくされる可能性がある。3月2日の「SVT グローバル」は、ファッション&ビューティ業界が世界情勢の影響を強く受けるセクターであることを改めて示した一日となった。
※「SVT グローバル」は原則として本国のプライマリー上場市場の株価を採用
※本データは現地通貨建て株価ベースで算出しており、為替変動の影響は考慮していない
※「SVT インデックス」グローバル版採用33銘柄
LVMH、エルメスインターナショナル、ケリング、プラダ、バーバリーグループ、フェラガモグループ、ブルネロ クチネリ、モンクレール、リシュモン、スウォッチグループ、ファーストリテイリング、インディテックス、ヘネス・アンド・マウリッツ、ヒューゴボス、エルメネジルド・ゼニア・グループ、ラフルローレン、タペストリー、PVHコーポレーション、カプリホールディングス、VFコーポレーション、カナダグースホールディングス、デッカーズ・アウトドア・コーポレーション、リーバイ・ストラウス&カンパニー、ナイキ、アディダス、アシックス、ルルレモン・アスレティカ、アンダーアーマー、コロンビア・スポーツウェア、オールバーズ、オンホールディングス、ロレアル、ユニリーバ












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