日本経済新聞(3月17日朝刊)の記事によると、シカゴに本社をおくRMBキャピタル(以下RMB)が三陽商会に対して「身売り」の圧力を強めているという。この問題は昨年12月、RMBから三陽商会に対する株主提案として、「三陽商会は戦略的パートナーへの会社売却を検討すべき」と提言していたことが米ブルームバーグによる報道で明らかになっていた。三陽商会は当初、この報道に対して「当該投資家との協議を行っている事実は無く、何も決定しておりません」と否定していた。
同紙によると、RMB側から戦略的パートナーとして、三井物産、英バーバリー社、ワールドの3社が具体的な候補としてあげられている。三井物産は三陽商会の大株主であり、「ポール・スチュアート(Paul Stuart)」ブランドでライセンス契約を結んでいる。2月21日に代表取締役兼副社長執行役員に就任した大江伸治氏は三井物産の出身でもある。バーバリー社はかつての提携相手で、ワールドは同業の大手アパレルだ。4期連続最終赤字の計上を見込む三陽商会に対してRMBは、リストラの継続による有能な社員の退社やモチベーションの低下を懸念、販売チャネルを百貨店からEコマースへ移行する改革が同社の資本力では難しいと分析。こうした総合商社や同業大手の傘下で再建を進めるよう、経営への関与を強めたい意向だという。