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決算発表で分かった「小康」状態が続くソフトバンクGと楽天

May 13, 2023.三浦彰Tokyo, JP
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その業績の行方が最も注目されている日本企業といえばソフトバンクグループと楽天だろう。その2023年3月決算と2024年3月期第1四半期決算が発表になった。

まずソフトバンクグループの2023年3月決算の主要数字は以下の通りだ。
・売上高:6兆5704億3900万円(前年比+5.6%)
・税引前利益:−4691億2700万円(前年−8695億6200万円)
・当期利益:−7898億100万円(前年−1兆4621億9900万円)
・親会社の所有者に帰属する当期利益:−9701億4400万円(前年−1兆7080億2900万円)

赤字は前年の半分近くになっているが、すべての利益段階で赤字が続いている。これを「小康」状態と呼ぶべきかどうか。なお英紙フィナンシャルタイムズは5月11日に、ソフトバンクグループは傘下の米投資ファンドであるフォートレス・インベストメントグループをアラブ首長国連邦(UAE)アブダビ首長国の政府系ファンドに売却する方針だと報じている。売却価格は最大30億ドルで交渉中だ。また同じくフィナンシャルタイムズは、ソフトバンクグループが保有する中国のIT大手「アリババ・グループ」の株式の大半を売却する方針だと1カ月前に報じている。売却価格は9600億円程度と見られている。

一方、楽天の2024年3月期の第1四半期決算(2023年1月1日〜2023年3月31日)が5月12日に発表になった。その主要数字は以下の通りだ。
・売上高:4756億3500万円(前年比+9.3%)
・営業利益:−761億9400万円(前年−1131億8400万円)
・税引前利益:−794億300万円(前年−1192億6100万円)
・親会社の所有者に帰属する四半期利益:−825億6700万円(前年−918億4200万円)

利益については赤字が続いているが、赤字幅は小さくなっている。これも「小康」状態と言っていいのかどうか。4月21日には傘下の楽天銀行が東証プライム市場に新規上場するなど明るい話題もあったが、この反映は第2四半期以降になる。また第1四半期決算発表前日の5月11日には楽天モバイルがKDDIと新たなローミング協定締結の「ビッグニュース」が発表された。楽天の足を引っ張っている楽天モバイルの窮地を救うローミング協定になるのかどうか注目したい。

さらに5月12日には、楽天グループが保有する大手スーパーマーケットチェーン「西友」の株式20%を米投資会社KKRに220億円で売却したとの発表があった。これによりKKRは保有する西友の株式比率が65%から85%になった。

 

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