ワコールは11月11日、2025年3月期の中間期決算を発表した。売上高にあたる売上収益は901億6700万円(前年同期比5.2%減)、営業利益は115億5100万円(前年は33億8400万円の赤字)、中間利益は87億1500万円(同43億9600万円の赤字)と減収減益だった。
ワコールは主要国で女性向けのインナーウェアの販売の低迷が続いている。日本では、Eコマースは堅調を維持したものの、実店舗が苦戦した。中国も個人消費の低迷が続いており、売り上げの回復は想定を下回っている。
売上構成比でほぼ半数を占める主力の国内事業は、売上収益は前年比4.8%減となる450億600万円、海外事業は同1.4%減となる345億4900万円、ピーチ・ジョン事業は同6.1%減となる51億6500万円となり、すべての事業が前年から減収となった。
ワコールの国内事業の営業利益は、8月に売却した旧福岡事業所跡地の売却益76億8000万円を計上したことから前年比552.1%増となる84億8700万円だった。海外事業は前年同期の50億2300万円から黒字に転換し、27億8300万円だった。ピーチ・ジョン事業は前年同期の3700万円の赤字から改善せず、4400万円の営業赤字となった。
ピーチ・ジョン事業は、タレントでモデルの藤田ニコルを起用して販促プロモーションや30周年キャンペーンを実施しているものの、期待した効果が得ることができなかったと説明している。ピーチ・ジョンのYouTube公式チャンネルには、藤田ニコルが出演する動画が投稿されているが、再生数は最大で3万回程度で、最大で652万回再生の小嶋陽菜や同じく143万回再生の馬場ふみかなど、以前のアンバサダーと比較すると物足りなさを感じる。
ワコールは同日、2025年3月期の連結業績予想を修正し、売上収益は1810億円(修正前は1830億円、前年比3.3%減)、営業利益は48億円(同20億円、前年は95億300万円の赤字)、親会社の所有者に帰属する当期利益は45億円(同32億円、同86億3200万円の赤字)としている。