
「インディヴィ(INDIVI)」「アンタイトル(UNTITLED)」「タケオキクチ(TAKEO KIKUCHI)」などを展開するワールドは4月3日、2026年2月期の通期連結決算を発表した。売上収益は2840億1400万円(前年比25.9%増)、営業利益は160億2800万円(同4.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は120億1300万円(同8.8%増)と、大幅増収ながら営業減益となった。
セグメント別では、主力のブランド事業が売上収益2000億9100万円(同0.6%増)、セグメント利益は88億5400万円(同19.9%減)と増収ながら大幅減益。デジタル事業も売上収益313億3900万円(同3.7%増)、セグメント利益22億7700万円(同13.1%減)と減益だった。一方、プラットフォーム事業は売上収益1304億2200万円(同75.2%増)、セグメント利益41億7100万円(同128.0%増)と急拡大。2025年2月28日付で子会社化したエムシーファッションの寄与もあり、全体の成長をけん引した。
こうした結果を受け、鈴木新輝社長は決算説明資料で「業績下方修正となり期待を裏切った。己の力不足を恥じるのみ」と異例の強い言葉で謝罪。「中期経営計画最終年度の第4四半期で失速した責任は私個人にある」と明言した。さらに「売上を硬直的に追求した自身の驕りが真因」とし、課題の本質がアパレル事業の構造にあると総括した。
一方で、改革はすでに動き始めている。在庫と粗利の正常化が進み始めているとし、価値の裏付けなき仕入れの見直しや人員再配置を断行。収益構造の再建に踏み込んだ。また、B2Bを中心とするプラットフォーム事業については「未来に確かな手応えがある」と評価し、外部人材の登用やリソースシフトにより成長基盤の整備が進んでいるとした。海外ではタイ事業が拡大フェーズに入り、香港やマレーシアでの展開も控えるなど、成長ドライバーの芽も見え始めている。
「異例の暑さだった」「天候不順だった」など、「言い訳決算」が多いアパレル業界において、トップ自ら責任を引き受け、問題の本質に踏み込んだ。これは単なる謝罪ではなく、構造転換に向けた意思表示、覚悟とも言える。同社は売上収益1兆円を長期目標に掲げ、次期中期経営計画「VISION-W」では「ファッション産業の第3極」の確立を目指す。IP・アライアンス、海外、M&Aを軸に非連続な成長を狙う方針だ。
2027年2月期は売上収益3000億円(前年比5.6%増)、営業利益175億円(同11.5%増)、純利益126億円(同4.9%増)を見込む。ただし同社は短期的な利益よりも構造改革を優先する姿勢を明確にしており、アパレル依存からの脱却と事業ポートフォリオ転換の進展が今後の評価を左右しそうだ。






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