ルックホールディングス(HD)は6月12日、イタリア・フィレンツェ発の革製品ブランド「イル ビゾンテ(IL BISONTE)」を展開するビゾンテ・イタリア・ホールディングス(Bisonte Italia Holding S.r.l.)の全株式を取得し、子会社化すると発表した。買収額は約109億円。
「イル ビゾンテ」は日本はもとより欧州、北米、アジア及び中東でレザーバッグ、キャンパスバッグ、財布、小物などを中心にしたハンドメイド商品が本物志向のファンに愛され続けるブランドだ。ビゾンテ社の2018年12月期の業績は、売上高3518万5000ユーロ(約42億円*)、営業利益175万ユーロ(約2億1300万円*)。ルックHDは1999年から同ブランドの日本での独占輸入販売を開始し、その後直営店舗やフランチャイズ契約店舗による小売事業、大手セレクトショップなどへの卸売り事業、自社サイトやECモールによるEC事業を展開しており、主力事業のひとつになっている。今回の完全子会社化で、「イル ビゾンテ」事業の長期的、安定的な運営を実現させるとともに、商品の付加価値を高めることにより、主力の日本市場における売上高をさらに増加させる狙いだ。さらに、同ブランドのグローバル展開の拡大にも注力する。
ルックHDは、今まで「マーク バイ マークジェイコブス(Marc by Marc Jacobs)」や「トリーバーチ(Tory Burch)」などのブランドの日本展開を行ってきた。いずれも同社の主力ブランドだったが、本国側が日本現地法人を設立して、ルックHDはブランドの取り扱いができなくなり、そのたびにその補填をするという苦しい歴史があった。そのため今回のように、多少値段は高くとも、本国現地法人の全株式取得で、永続的なブランドの成長を継続するという行動に出たようだ。109億円を払っても、長期的に見れば、十分元は取れるという自信があるようだ。
*1ドル=108.32円換算(6月17日時点)