
「ギャップ(GAP)」や「オールド・ネイビー(OLD NAVY)」を展開する米国のギャップは11月21日、2025年12月期の第3四半期決算(7〜9月)を発表した。売上高は前年同期比3%増の39億4200万ドル(約6188億円*)、営業利益は6%減の3億3400万ドル(約524億円)、四半期純利益は14%減の2億3600万ドル(約370億円)となり、売上は堅調ながら利益面は関税コストなどの影響を受け、増収減益だった。
ギャップは現在、約35カ国で約3500店舗を運営している。第3四半期は既存店売上高が前年同期比5%増となり、7四半期連続のプラスを記録。ECでの売上も前年同期から5%増えて、全体の40%に到達した。店舗とECの双方がバランスよく成長しており、グループ全体の回復が徐々に鮮明になっている。
一方で、コスト面では重荷も見える。期末在庫は関税関連費用の増加が響き、前年同期比5%増の25億ドル(約3925億円)と積み上がっている。在庫が増えた背景には、需要予測精度の改善途上や、ホリデー商戦に向けた確保など複数要因があるようだ。
主力ブランドは総じて堅調だ。売上高トップの「オールド・ネイビー」は23億ドル(約3611億円、前年同期比5%増)と安定成長。「ギャップ」は9億5100万ドル(約1493億円、同6%増)とプラス幅をさらに拡大した。特に「ギャップ」の既存店売上高は7%増を記録し、8期連続のプラス成長となった。
一方で、「バナナ・リパブリック(Banana Republic)」は4億6400万ドル(約728億円、1%減)、「アスレタ(Athleta)」は2億5700万ドル(約403億円、11%減)と苦戦している。特にアスレジャー市場の競争激化が「アスレタ」の売上減につながっている。
2023年8月からCEOを務めるリチャード・ディクソン(Richard Dickson)は、今回の決算について次のようにコメントしている。「第3四半期および累計の好調な業績により、ホリデーシーズンに向けて良いスタートを切ることができました。通期の売上高見通しを引き上げ、営業利益率見通しも改善する自信があります」。
特に「オールド・ネイビー」と「ギャップ」の2大ブランドの回復基調が、グループ全体の業績を押し上げている。ホリデー商戦は米国小売にとって最重要期間で、オンライン売上比率の高さが強みとして働く可能性が高い。
*1ドル=157円換算(11月22日時点)









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