オンワードホールディングス(以下、オンワードHD)は8月28日、アパレルブランド「ウィゴー(WEGO)」を運営するウィゴーを完全子会社化すると発表した。
オンワードHDは2023年にウィゴーの発行済株式の20.27%を第三者割当て増資の形で取得し、資本業務提携していたが、9月27日に残りの全株式79.73%を取得する。取得額は5億円。事業再生中のウィゴーは、4期連続の営業赤字を続けているが、2025年2月期には営業損益が黒字に転換する見込み。営業赤字とはいえ、売上高は直近で280億円以上あり、リーズナブルな買収価格だった。
現在、全国で160店舗以上を展開しているウィゴーは、1994年に中澤征史氏が大阪のアメリカ村で古着ショップをスタートしたことに始まる。その後、2017年8月に中澤氏が投資会社オーチャードコーポレーションに株式を売却。オーチャードの社長の伊藤忠寛氏が新社長になり、中澤氏は取締役ではない会長職へ。
しかし、その3カ月後の11月にアラタマコーポレーション(ブラザー工業の創業ファミリーの資産管理会社)がオーチャードから株式を買っている。社長には米国公認会計士の高橋英朗氏が就任。中澤氏は取締役会長に就任。さらに2018年には投資ファンドのJ-STARが買収し、社長には事業部長だった園田恭輔氏が就任と、ウィゴーの株主と社長はこの5年ほど目まぐるしく代わっている。
今回、オンワードHDの完全子会社となったことで、経営基盤を立て直し、将来的に売上高500億円規模への拡大を目指すとしている。