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株式会社ユニクロの塚越大介新社長に続き、ファストリはどうなる?

Aug 29, 2023.三浦彰Tokyo,JP
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株式会社ユニクロの新社長に就任する塚越大介氏

ファーストリテイリングの実質的な創業者である柳井正会長兼社長は来年2月7日に75歳になる。75歳という年齢にどんな意味があるのかは知らない。ヨーロッパには、還暦(61歳)、古希(70歳)、喜寿(77歳)、傘寿(80歳)などを祝うシキタリはない。しかし、クラシックの世界で有名な指揮者が75歳の誕生日直後に有名オーケストラに客演で招かれた時に「ヨーロッパは75歳という年齢を非常に大切にする」とある音楽評論家が言っていた言葉が今でも耳に残っている。

その75歳の誕生日を半年後に控え、柳井会長兼社長は子会社の株式会社ユニクロでも会長兼社長職にあったが、今回その社長職を塚越大介(つかごしだいすけ)取締役に譲った。株式会社ユニクロは、子会社と言っても親会社ファーストリテイリングの売上収益、利益ともにその大半を稼ぎ出している中心企業である。「ユニクロ事業は塚越社長に任せるが、最終決断は今後も柳井会長がするのだから、社長職と言ってもナンバー2ということ」という声がファーストリテイリング内でも圧倒的なようだ。

私が一番注目するのは、塚越新社長の年齢だ。1978年11月11日生まれで現在44歳。この44歳という年齢に大きな意味があると感じた。

柳井会長兼社長には2人の子供がいる。長男が柳井一海(やないかずみ)氏で1974年4月23日生まれの49歳でファストリ取締役である。次男は柳井康治(やないこうじ)氏で1977年5月19日生まれの46歳でファストリ取締役である。柳井会長は「後継者は世襲しない」と言い続けてきた。もちろんこの「世襲しない」という言葉が絶対的なわけではない。例えば柳井氏が2009年に発言した「2020年に連結売上高5兆円、経常利益1兆円を目指す」宣言だって、未だに実現されていないではないか。「後継者は世襲しない」発言だって、その真意は「息子がその任に能わずだったら、世襲はしない」という意味なのであって、「絶対に世襲しない」という意味ではないと、私は理解している。だから柳井一海取締役と柳井康治取締役のどちらかが後継者に選ばれるのか、カタズを飲んで見守っている。今回の株式会社ユニクロの40歳代社長の誕生で、いよいよ本丸のファーストリテイリングにも40歳代社長の誕生が近いのではないかという感触を得た。

ファーストリテイリングの取締役は、柳井正会長兼社長、柳井一海取締役、柳井康治取締役の3人を除くと、岡崎健取締役(58歳)がいるだけで、あとは社外取締役や監査役だ。今回の人事で塚越新社長がこの取締役会に加わるのだろうが、取締役会が柳井家の家族会議のようにも見える。外部からの社長招聘もありそうだが、一度社長職を委譲した玉塚元一氏(現ロッテホールディングス社長)で失敗して懲りているのではないかとも思う。柳井会長兼社長が75歳を機に、塚越新社長に続く、ファーストリテイリングでの大決断があるのではないか。

さて塚越新社長は、米国事業を軌道に乗せた人物ということを評価されたらしいが、2期連続の史上最高決算(2022年8月期、2023年8月期)の後を引き継ぐのだから、大変なプレッシャーだと思う。しかも、新ブランドと言っていい「ユニクロ:シー(UNIQLO : C)」は失敗の危険性もある大冒険である。お手並みを拝見したい。

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