
シチズン時計は11月12日、傘下のスイスの高級ムーブメントメーカー、マニュファクチュール・ラ・ジュー・ペレ(Manufacture La Joux-Perret S.A.)」が、LVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)からの出資を受け入れたと発表した。両社は時計事業での連携を強化し、長期的なパートナーシップを構築する。
ラ・ジュー・ペレ社は、スイスに拠点を構え、約140人の職人を擁するムーブメント専門メーカー。自動巻きや複雑機構、高精度ソーラークオーツなど、幅広いムーブメントを自社で開発・製造しており、スイスおよび海外の高級時計ブランドに供給してきた。2012年にシチズングループ入りして以降は、同グループの技術力を活かし、ソーラー駆動や高精度分野での研究開発を強化している。
今回の出資は、2022年以降、ラ・ジュー・ペレ社がLVMH傘下ブランドの「タグ・ホイヤー(TAG Heuer)」や「ティファニー(Tiffany & Co.)」にソーラークオーツムーブメントを提供してきた実績を背景に実現したもの。LVMHの出資を受けることで、両社は今後さらに協業を深め、LVMHが保有する他ブランドとの技術連携も視野に入れるという。
この提携により、LVMHは高品質ムーブメントの安定的な供給ルートを確保し、シチズングループはラ・ジュー・ペレ社の技術力とブランド価値を国際的に高める狙いがある。
シチズン時計の大治良高社長は、「LVMHグループをラ・ジュー・ペレ社の資本に迎え、関係性がさらに強まることを大変喜ばしく思います。この戦略的提携は、技術力の認知を確固たるものにし、長期的な新たな展望を開きます」とコメント。LVMHウオッチ部門CEOのジャン=クリストフ・ババン氏も、「ラ・ジュー・ペレ社との関係強化を喜ばしく思います。その技術的熟練度、産業の卓越性、そしてスイス時計産業の中に深く根ざした存在感は、我々の時計ブランドにとって理想的なパートナーです」と語った。
伝統と革新を併せ持つラ・ジュー・ペレ社が、日欧の巨頭の橋渡し役として新たな成長フェーズに入る。今回の出資は、グローバル時計産業における技術協業の新たなモデルケースとなりそうだ。













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