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4月の株価上昇率第1位は不動産業に転業したキムラタン、下落率第1位は再赤字化のメルカリ

May 6, 2022.三浦彰Tokyo, JP
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SEVENTIE TWOでは毎月ファッション&アパレル関連の83銘柄の株価の騰落率ランキングを発表している。今回は2022年4月1日始値と4月28日終値を比較した4月分だ。

この間日経平均株価は、4月1日の始値2万7624円11銭から4月28日の終値は2万6847円90銭まで2.9%の下落だった。5月4日に決定され5月5日に発表されたFRB(連邦準備制度理事会)のFOMC(連邦公開市場委員会)の利上げ幅発表を前にして、株式相場はこの1カ月間小幅な上下動に終始した。その結果は、政策金利0.5%の大幅利上げになった。通常の利上げ幅は、0.25%であり、この0.5%の大幅利上げは2000年5月以来で実に22年ぶり。FRBは積極的な金融引き締めで現在のハイ・インフレを抑制する姿勢を鮮明にしたと言える。またFRBのパウエル議長は一部で取り沙汰されていた0.75%の一段と大幅な金利引き上げについては「積極的には検討していない」と答弁。

この金利引き上げをうけて、5月5日のNYダウ平均株価は1063ドル9セントの大幅な下落(-3.1%)を記録した。前日(5月4日)は932ドル27セント(+2.8%)の大幅な上昇を見せていたが、FOMCの結果をうけてこれを帳消しにした。このままズルズル下落する可能性もあるだけに予断は許されない。

こうした全体の動きの中で、SEVENTIE TWOが選んだ83銘柄の単純平均は、4月の1カ月間-4.18%だった。「値上がり」は27銘柄、「変わらず」は2銘柄、「値上がり」は54銘柄だった。

株価上昇率トップ(+21.0%)はキムラタン。神戸に本社をおくベビー・子供服メーカーだ。といっても、19円の株価が23円になったということで、引き続き赤字決算が続いている。しかし、すでに既報したが同社は今年2月14日に「事業ポートフォリオの転換に関するお知らせ」を発表。220店舗ある実店舗のうち210店舗の退店と退店店舗の販売員及び本社人員の6割強にあたる40人の整理を行うとしている。今後同社の株式13.27%を保有するレゾンディレクションの清川浩志社長兼キムラタン社長によって、今後は不動産事業を中核事業にすることになった。今年の3月決算も引き続き赤字決算になるのは確実だが、不動産をメイン事業にした来年3月決算が大きく黒字転換する可能性に賭けた投資があるようだ。さらに同社の大株主で注目されるのは、第4位の保有株比率6.1%大都長江投資事業有限責任組合という中国系企業の投資。今後株式買い増しの意向はあるのかどうか。いずれにしても、10億円程度で同社第1位大株主になれるわけで、そんな株ゲームを真面目に評価する価値があるのかどうか。

上昇率第2位(+17.9%)はABCマートだった。これはキムラタンのような思惑買いではなくて、4月13日に発表された2月期本決算の内容によるもの。その決算は:

・売上高:2439億4600万円(前年比+10.8%)
・営業利益:274億4600万円(同+40.7%)
・経常利益:282億6000万円(同+32.8%)
・親会社株主に帰属する当期純利益:173億200万円(同-9.6%)

というコロナ禍からの見事なリカバリーをみせた内容だった。特に営業利益、経常利益の驚異的な回復が評価される。株価も4月13日発表(4月13日終値4850円)を境にして、一気に5300円台まで上昇している。

上昇率第3位(+13.0%)はアダストリアだった。これもABCマート同様に4月13日に発表された2月決算を評価した株価上昇である。その決算は:

・売上高:2015億8200万円(前年比+9.6%)
・営業利益:65億6400万円(同+756.1%)
・経常利益:81億6600万円(同+173.9%)
・親会社株主に帰属する当期純利益:49億1700万円(前年−6億9300万円)

コロナ禍中の前期から驚くべきリカバリーを見せている。今期は売上高2300億円(前年比+14.1%)、営業利益100億円(同+52.3%)、経常利益100億円(同+22.5%)、親会社株主に帰属する当期利益63億円(同+28.1%)とさらに高水準の目標を掲げている。株価は発表当日の4月13日の終値が1987円で、発表の翌日に一気に2205円まで上昇したが、その後はそれをピークに現在2000円台をキープしている。

一方、株価下落率の大きいワースト株を見てみると、最下位(83位)は、−30.9%のメルカリ。4月28日に2022年6月期の第3四半期決算を発表したが、連結最終損益は77億円の赤字に転落。併せて、非開示だった2022年6月期の通期連結損益が86億円の赤字(前期は57億円の黒字)に転落する見通しを発表した。すでに株価はこうした同社の赤字化を読み込んで昨年11月22日終値の7320円をピークに下げ続け、実に3分の1以下の2000円台まで急下落している。こうしたIT企系企業は一旦黒字化すると一気に業績が急上昇するものだが、再赤字化で投資家の失望はきわめて大きいようだ。

 

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