フランチャイジーとして「蔦屋書店」を運営するトップカルチャーがレンタル事業から撤退
Jul 16, 2021.Tokyo, JP
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同社は大胆な事業転換を進めており、赤字拡大は従来のレンタル主体の中型店舗の閉店に伴う費用、100円ショップやゲーム&トレーディングカード事業への転換を進めるための費用によるものだ。さらに同社はスポーツ関連事業、訪問看護事業などによる新たな経済圏を目指している。同社は一都9県に81店舗の展開を行っている(2023年4月30日現在)。業態転換に伴う費用捻出のため同社は取次会社トーハンに対して第三者割当増資を行い、約6億7000万円分のトップカルチャー株式をトーハンが引き受ける。これにより、トーハンが2023年9月30日に総株式保有比率22.59%で筆頭株主になる。第2位は従来の筆頭株主だったカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)(株)15.48%で持分法適用会社である。なおトップカルチャーはCCCのフランチャイズ加盟企業の中では最大規模のメガフランチャイジーでありレンタルは無くしても書店経営は継続する。
この6億7000万円の見返りに、トーハンは従来日販とMPD(日販グルーオプホールディングスとCCCが株主の物流会社)が行っていたトップカルチャー59店舗の帳合を行うことになった。
これに先立って丸善ジュンク堂および未来屋書店の日販帳合店が立て続けにトーハン帳合へ変更になった。日販はこれにより700億円以上の売り上げを失うことになるという見方がある。もちろん、日販としても、戦略的な動きなのかもしれないが、ここに来ての日販の帳合店整理がどんな狙いを秘めているのか大いに注目される。
トップカルチャーの業態変更→赤字補填のためのトーハンが株式買い入れ→帳合変更と一連の動きは出版業界の未来が集約されたような動きと言えないだろうか。