
撮影:セブツー
スウェーデンのファストファッション大手、ヘネス・アンド・マウリッツ(H&M)は9月25日、2025年12月期の第3四半期(6〜8月)決算を発表した。売上高は前年同期比3.4%減の570億1700万スウェーデンクローナ(約8552億5500万円*)と減収となった一方で、営業利益は同40.1%増の49億1400万クローナ(約737億1000万円)、純利益も同39.2%増の32億1200万クローナ(約481億8000万円)と大幅な増益を確保した。
地域別では、売上高の34%を占める最大市場の西ヨーロッパが前年同期比1%増の198億6300万クローナ(約2979億4500万円)と堅調だったほか、東ヨーロッパも54億2500万クローナ(約813億7500万円)と前年並みを維持した。
一方で、地元・北ヨーロッパや南ヨーロッパ、北米・南米市場はいずれもマイナスを記録。特にアジア、オセアニア、アフリカ地域では前年同期比10%減と大きく落ち込み、全体の減収要因となった。
H&Mは8月末、ブラジルで初となる店舗およびオンラインストアをオープンし、新興市場での成長戦略を加速させている。ただし今期の売上高への寄与は限定的で、本格的な成果が反映されるのは先になる見通しだ。
アジアを中心とした一部地域での苦戦により減収となったH&Mだが、利益面では大幅な改善を実現し、収益構造の底堅さを示した格好だ。今後は新興国市場での店舗展開やデジタル投資を通じ、グローバルでの成長軌道を取り戻せるかが焦点となる。
*1スウェーデンクローナ=15円換算(9月29日時点)