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映画『地球交響曲(ガイアシンフォニー)』の龍村仁監督が逝去 

Jan 3, 2023.高村 学Tokyo,JP
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龍村仁監督(有限会社龍村仁事務所HPより)

映画監督の龍村仁氏が1月2日15時に老衰のため逝去した。享年82。通夜は1月4日17時から、葬儀は1月5日13時から京都の法然院で執り行われる。なお、後日偲ぶ会を執り行う予定。

龍村氏は、1940年に兵庫県宝塚市に生まれ、1963年に京都大学を卒業した後、NHKに入局。NHKを退職後、個人事務所であるオン・ザ・ロードを立ち上げ、オムニバスのドキュメンタリー映画シリーズ『地球交響曲(ガイアシンフォニー)』を制作・監督した。『地球交響曲』は、イギリスの生物物理学者ジェームズ・ラブロック博士が唱えるガイア理論をベースにした作品で、1992年公開の『地球交響曲第一番』から2021年に完成した『地球交響曲第九番』まで全9作が作られた。これまでに8000メートル峰全14座を無酸素で単独登頂に成功した登山家のラインホルト・メスナー(Reinhold Messner)を始め、アイルランドの音楽家のエンヤ(Enya)、米国の宇宙飛行士でアポロ9号の月着陸船操縦士のラッセル・シュウェイカート(Russell Schweickart)、人類史上初めて素潜りで100メートルを超えて潜水したダイバーのジャック・マイヨール(Jacques Mayol)、第14代ダライ・ラマなどが『地球交響曲』に出演している。

『地球交響曲』の全作品のナレーションを担当した榎木孝明氏は、自身のフェイスブックで「生きるという事は人との出会いと別れの繰り返しです。それは自分の人格形成にも大きく関わります。監督との出会いから大きな物をいただきました。首尾一貫した考えで作られた映画『ガイアシンフォニー』と言う表現の場において。監督と言えどご本人にしか、もしくはごく身近な人にしか判らない苦しみや悩みも多々あったかとお察し致します。しかし全てを『ガイアシンフォニー』と言う作品に収斂された生き方を私は尊敬します。どんな権力にもお金にも名誉にも変節しない一貫性と精神性をそれらの作品に込められたからです。30年前に予言されていた時代が今、現実となって目の前に現れつつあります。まさに時代の橋渡し役をされたと思います。そんな私の道標となった監督のご冥福を心よりお祈り致します。“心の友“と呼んでいただいたことに感謝と敬愛を込めて」と、龍村監督を追悼している。

1990年代にはカルチャー誌「スタジオ・ボイス」で連載を開始し、書籍『ガイア・シンフォニー間奏曲』を発行、ニューエイジ世代にも多くの影響を与えた。「魂の映画監督」とも称された龍村仁監督の冥福を祈りたい。

 

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