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石破さんもラーメン大好き!「牛丼」の次は国民食の「ラーメン」で世界一を狙う吉野家【いづも巳之助の一株コラム】

NEWOct 13, 2025.いづも巳之助Tokyo, JP
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おや?牛丼屋ホールディングスがラーメンで世界一を狙う時代が来たらしい。10月9日、吉野家が2026年2月期の業績を上方修正した純利益は前期比26%増の48億円。営業利益も82億円(前回予想+8億円)。

「牛玉スタミナまぜそば」や「厚切り豚角煮定食」など季節メニューがヒットし、原材料高を吸収。中間配当は10円→11円、年間22円配に増額だ。株主還元を強化しつつ、株価は3,044円(+0.53%)で着地した。

だが、この決算の本質は「牛丼の利益」ではない。業績の裏側で、同社が新たな事業ポートフォリオに「変身」し始めている点にあるんだ。

■牛丼を磨き、体質は変わる
3〜8月期の売上高は1104億円(+11%)、純利益26億円(+19%)。主力の「吉野家」と「はなまるうどん」がそろって堅調。営業利益率は4%台へ改善し、数量頼みから「単価と付加価値」で稼ぐ構造が見え始めた。

「コメ高を前提に新商品で客数を伸ばしたい」という方針のもと、成熟業態の牛丼で新メニューを次々と打ち出し、「守りながら攻める」姿勢が数字にも表れてきた。まあ、あまり新メニューを乱発するのも「吉野家」ファンの感想が聞きたいが、とりあえず良い結果は出たな。

■第三の柱「ラーメン」で世界一を目指す
今年5月に発表された中期経営計画のテーマは「変身」と「成長」。なかでもラーメン事業は最注力領域だ。2029年度までに売上高を80億円→400億円、営業利益を4億円→40億円に拡大。店舗数は500店、最終的には「2034年度 ラーメン提供食数 世界No.1」を掲げる。

すでに京都の人気店「キラメキノトリ」や製造会社の宝産業を傘下に収め、ハラル対応スープや欧州製造拠点の整備も進む。まさに「牛丼屋がグローバル・ラーメン企業へ」という大転換である。とはいえ、現状のPL上での寄与はわずか。ラーメン事業の売上は全体の約4%。まだ「夢の仕込み期」にすぎない。

そして今のうち、「キラメキノトリ」で実際食べてみて、巳之助に美味かったかどうか教えてほしいね!まだ関西にしかないからね。

■400億円の夢を現実に変える「4つの統合」
ラーメン事業の真価を決めるのは、ここからのPMI(買収後の統合作業)だ。これは単なる「買収後の整理」ではないんだ。「味」「物流」「データ」「文化」の4層を束ねる再設計そのものだ。どれも簡単じゃないぞ!

・味の統一では、「職人気質の強いラーメンブランド」をどう標準化するか?
・物流では、「吉野家の全国網と宝産業のスープ製造」をどう接続するか?
・データでは、「牛丼・うどん・ラーメンのPOS情報」を統合し、「AIによる需要予測や新メニュー開発」に活かせるか?
・文化では、「現場主義のラーメン業態とマニュアル重視」の吉野家本部をどうマッチングさせるか?

実は統合は、課題山積なんだ。ここでつまずけば、せっかくの400億円計画も「絵に描いた餅」になる。つまり、統合こそ「ラーメンの味と経営の味」を同時に整える勝負どころなのだ。

■投資判断は?
押し目は2,900円前後。業績は着実に上向き、配当も増えた。収益性の維持とブランド統合の進展が確認できた時が次のジャンプアップだ。

巳之助は「牛丼」と「ラーメン」で少し迷うけど。

▶巳之助メーター  2ニョロ 監視だね 
(1ニョロ=素通り 2ニョロ=監視 3ニョロ=今だ!)
数字よりも統合の進捗が気になる。そして、「キラメキノトリ」美味いのかなー?

プロフィール:いづも巳之助
プライム上場企業元役員として、マーケ、デジタル事業、株式担当などを歴任。現在は、中小企業の営業部門取締役。15年前からムリをしない、のんびりとした分散投資を手がけ、保有株式30銘柄で、評価額約1億円。主に生活関連の流通株を得意とする。たまに神社仏閣への祈祷、占い、風水など神頼み!の方法で、保有株高騰を願うフツー感覚の個人投資家。

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