
「シャネル(CHANEL)」を運営するシャネル・リミテッド(Chanel Limited)は5月19日、2025年12月期の通期決算を発表した。売上高は前年比3.0%増の192億6900万ドル(約3兆445億円*)、営業利益は同5.2%増の47億1200万ドル(約7444億円)と増収増益だった。一方、当期純利益は同14.3%減の29億1300万ドル(約4602億円)と二桁減だった。
ラグジュアリー市場全体に減速感が広がる中でも、「シャネル」は欧米市場を中心に底堅さを維持した。地域別売上高は、欧州が60億5400万ドル(約9565億円、前年比6.7%増)、米国が40億3300万ドル(約6372億円、同6.4%増)と伸長。一方で、中国市場を含むアジア太平洋地域は91億8200万ドル(約1兆4507億円、同0.6%減)とわずかに減少した。
2025年は、「シャネル」にとって新たな転換期となる一年でもある。アーティスティック・ディレクターにはマチュー・ブレイジー(Matthieu Blazy)が就任。10月にはパリのグラン・パレで、デビューコレクションとなる2026年春夏コレクションを発表している。レディ・トゥ・ウェアだけではなく、フレグランス「チャンス オー スプランディド」や、新作ウォッチ「J12 ブルー」なども投入し、ブランド全体で新たな世界観を打ち出している。
また、「シャネル」は積極的な投資も継続している。昨年はフランスに新たなフレグランス生産施設を設立したほか、ロンドンには新グローバル本社を開設。さらに天然繊維、レザー、時計、ファインジュエリー分野などに7億ドル(約1106億円)以上を投じ、関連企業の買収も進めた。
近年のラグジュアリーブランドは、単なるブランド力だけではなく、原材料調達から生産体制まで含めたサプライチェーンの強化が競争力を左右している。「シャネル」は、循環型パッケージ開発や持続可能な素材調達にも力を入れており、長期視点でブランド価値を高める戦略を鮮明にしている。
中国市場の減速や世界的な高級消費の鈍化が続く中でも、「シャネル」は次の100年を見据えた投資を加速させている。
*1ドル=158円換算(5月26日時点)



















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