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「メゾン マルジェラ」のジョン・ガリアーノのクリエイションを辿る「アーティザナル 2024 エキシビジョン 東京」が開催

Oct 31, 2024.高村 学Tokyo, JP
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「メゾン マルジェラ(Maison Margiela)」は、東京・恵比寿にある旗艦店「メゾン マルジェラ トウキョウ」で、11月2日から24日までの期間、クリエイティブ・ディレクターのジョン・ガリアーノ(John Galliano)による「アーティザナル」コレクションを多角的に展示する「アーティザナル 2024 エキシビジョン 東京」を開催する。

「アーティザナル」は1月25日にフランス・パリで発表されたコレクションで、今回のエキシビジョンでは25点のルックが展示される。ガリアーノ本人がコレクションの背景や物語、技術的なディテールについて語るオーディオガイドも用意されており、ガリアーノのクリエイションの本質に迫る、見応えのあるエキシビジョンとなっている。

「アーティザナル 2024 エキシビジョン 東京」は、ジョン・ガリアーノがなにからインスパイアされ、どのようなプロセスでひとつのコレクションに仕上げていくかを辿っていける構成となっている。「アーティザナル」コレクションはまず、1930年代の退廃的なパリを撮影した写真集『夜のパリ』で知られる写真家のブラッサイの作品にインスパイアされたことから始まる。

会場のエントランスには、ブラッサイが撮影した、カフェで男性を待つひとりの婦人のポートレートが掲げられている。着古したコートを羽織ったこの女性は、毎日同じカフェで酒を飲みながらかつてのパートナーを待っていたのだという。このマダム・ビジュー・ラ・モームという女性がガリアーノのインスピレーションとなった。

会場内を進むと、コレクションのイメージをさらに膨らませるためにガリアーノが自ら集めた資料や文献をブックにまとめたインスタレーションウォールがある。もっとも細いウェストサイズでギネス記録を作った女性の写真や、フォーヴィスムで知られるオランダ系フランス人画家のキース・ファン・ドンゲンの作品などが収集されており、膨大な数の資料が集められたことがわかる。

また、プロセスブックと呼ばれている、ひとつのルックができあがるまでの変遷をまとめたブックも展示されている。デッサン画やメモ書き、モデルが着用したイメージなどが収められており、ガリアーノがどのようなプロセスを経てひとつのルックを完成させていったのかが辿れる。

会場には、ところどころにやや古びた人形が置かれているのも見逃せない。ガリアーノは、人形こそが自身のミューズだと考えており、なにげなく置かれている人形もガリアーノが創作するコレクションにとって重要な意味を持っている。

会場内に展示されているガラスのドームには、ジョン・ガリアーノが「クリスチャン・ルブラン(Christian Louboutin)」とコラボレーションするきっかけとなった、1948年のエメリック・プレスバーガー監督のミュージカル映画『赤い靴』にちなんだソールのない赤い靴が飾られている。2階では、「アーティザナル」のショーのプロローグで使われたフィルムと、コレクション準備中に撮影された未公開の映像などが映し出されるプロジェクション空間となっている。

そして、東京・銀座の「ドーバー ストリート マーケット ギンザ(Dover Street Market Ginza)」では、漫画家の久保帯人の描き下ろしによるキャラクターを含む4体のルックを展示し、久保帯人が月や雨などを描いてコレクションのシーンを表現した2階層にわたるウィンドウインスタレーションを11月24日まで展開する。「ドーバー ストリート マーケット ギンザ」の3階では、「メゾン マルジェラ ブックストア」が特設されており、ジョン・ガリアーノが「アーティザナル」コレクションの制作にあたり研究し、着想を得た本を紹介している。

「ファッション業界の革命児」とも称されるジョン・ガリアーノのクリエイションを辿ることができる、またとないエキシビジョンにぜひ足を運んではいかがだろうか。

■「アーティザナル 2024 エキシビジョン 東京」概要
住所:東京都渋谷区恵比寿南2-8-13​ キョウデンビル2-3階​(メゾン マルジェラ トウキョウ上階)
日時:2024年11月2日〜24日 11:00〜20:00(19:30最終入場)
※事前予約優先、予約受付開始中

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