「3.1 フィリップ リム(3.1 Philip Lim)」の創設者でデザイナーのフィリップ・リム(Philip Lim)が、2025年春夏シーズンを最後にクリエイティブ・ディレクターを辞任する。日本時間で11月13日の夜、「3.1 フィリップ リム」のインスタグラムの公式アカウントに投稿した。
中国系アメリカ人であるフィリップ・リムは、2000年から米国のロサンゼルスを拠点に「ディベロップメント(DEVELOPMENT)」を設立し、ヘッドデザイナーとして活躍。2005年に拠点をロサンゼルスからニューヨクに移し、現在CEOを務めているウェン・ゾウ(Wen Zhou)と「3.1 フィリップ リム」を設立した。ブランド名にもなっている3.1とは、設立当時の2人の年齢が31歳であったことに由来する。
「3.1 フィリップ リム」は、2005年に世界4大コレクションのひとつであるニューヨークファッションウィークでデビューして以来、アイテムの種類とターゲットを拡大させながら、12カ国以上に顧客を抱えるブランドに成長した。ニューヨーク、ハワイ、中国、タイなどに実店舗を構え、日本にも大阪タカシマヤや伊勢丹新宿店など、百貨店を中心に現在6つの実店舗を構えている。
フィリップ・リムは、持続可能性についての取り組みやニューヨークでのアジア人の支援など、ファッションデザイナーとしての枠を超えた活動でも注目を集めている。
これまでは、創設者であるフィリップ・リムとCEOであるウェン・ゾウの2人が「3.1 フィリップリム」を経営してきたが、フィリップ・リムは「このブランドが新章に突入するにあたって、私たちはこれまで築き上げてきたものと、真のコミュニティとしての強さに誇りを持っている」と語っている。
さらに、「当初、私たちの目標は意味のあるものを創造することであり、現在に至るまでに、前向きな変化、創造性、責任、コラボレーションを鼓舞してきた。過去20年間に私たちがもたらした影響をとても誇っている」としながらも、「これは、新しいゴールと異なるビジョンを持つ私たちにとってのターニングポイントである」「新たな冒険を追求する」とし、自身の辞任を明かした。なお、ウェン・ゾウは引き続きCEOとしてブランドに残ると発表している。
別々の道を進むことを決めた2人だが、インスタグラムの投稿では、「私たちのパートナーシップは終わりを迎えるが、このブランドは引き続きウェン・ゾウに託す、私たちはこれからも生き残り続ける」と前向きな姿勢を見せた。
今回の投稿では、2025年春夏シーズンが「3.1 フィリップ リム」でのフィリップ・リム最後のコレクションになると締めくくられている。